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Google広告の広告ランクと品質スコアの違いについて解説!分かりづらい仕組みと定義を徹底解析

最初にお伝えしますと、
「品質スコア」は「広告ランク」を構成する要素の一つ・・・ではありません!!
広告運用に慣れている方も意外と間違って認識しやすい「品質スコア」について解説いたします。

 

「広告ランク」ってなに?

広告ランクとは、検索結果ページでの広告の掲載位置を決定するために使用される数値です。
Google検索にて検索が行われると、

広告が掲載可能かどうかを判定するための広告ランクを算出

他広告主の掲載可能な広告と比べて順位を判定するための広告ランクを算出

といったオークションが行われます。
ただ広告ランクが高ければいいという訳ではなく、一定の広告ランクを満たさないと広告が掲載できません。
その後、他広告主の広告ランクと比較され掲載順位が決定されます。

広告ランクのスコアは次の6つの要素に基づいて決定されます。
①入札単価
②広告とランディング ページの品質
③広告ランクの下限値
④オークションにおける競争力
⑤ユーザーが検索に至った背景(コンテキスト)
⑥広告アセットやその他の広告フォーマットの効果

ここで注意すべき点は、②広告とランディング ページの品質 です。
この要素に関するGoogle広告ヘルプの説明文は、以下のとおりです。

広告とそのリンク先のウェブサイトがユーザーにとってどれほど有用で関連性が高いものであるかも判断基準となります。広告の品質評価の結果は、品質スコアでわかります。
https://support.google.com/google-ads/answer/1722122?hl=ja

この②を「品質スコア」と同義のように説明している記事を多く見かけるのですが、「②の評価結果が品質スコアでわかる」のように書いてありますね(日本語難しい)。
この説明文を読むと、広告ランクに品質スコアが関係していることは分かるものの、「どのように」「どのくらい」関係しているのかが分かりにくいです。
それでは次に、問題の「品質スコア」について見ていきましょう。

 

品質スコアってなに?

公式ヘルプには、以下のような説明があります。

品質スコアは、他の広告主様と比べた広告の品質の目安をスコアで表示する診断ツールです。

スコアは 1~10 の数値で示され、キーワード単位で確認できます。品質スコアが高ければ、そのキーワードを検索しているユーザーにとって、お客様の広告とランディング ページが、他の広告主様のものと比べて的確で有用であることを意味します。
https://support.google.com/google-ads/answer/6167118

読み解くと「品質スコアが高い=広告とランディングページが的確で有用」ということはなんとなく分かります。
「それなら、品質スコアが高ければ広告ランクが高くなるのか!」と理解してもおかしくないように思えます。
しかし、ヘルプの下に小さい文字で以下の記述があります。

品質スコアは、広告オークションにおける評価材料にはなっていません。あくまで診断ツールとして、あるキーワードに対して表示される広告がユーザー エクスペリエンスに及ぼす影響を示したものです。

別のページには以下のような記述もあります。

なお品質スコアは、あくまで品質改善が必要な広告を特定する手掛かりとして提供されている診断用の数値であり、広告オークションにおける評価材料にはなっていません。品質スコアの数値(1~10)そのものを最適化しようとするのではなく、品質の低い広告を診断するための情報としてご活用ください。
https://support.google.com/google-ads/answer/156066?sjid=10450896696225070805-AP#QSvAR

前述したとおり、「広告オークションを行う際に広告ランクが算出される」ので、「品質スコアが広告オークションにおける評価材料になっていない」ということは、「広告ランクの算出に品質スコアは関与していない」ということになります。
あくまで「目安」であって、広告ランクを構成する「要素」ではない、ということですね。

 

「品質スコア」はどのように活用する?

理屈っぽいことを長々と書きましたが、「広告ランクの算出に品質スコアは関与していない」ものの、「目安」である品質スコアを上げることで広告やランキングページの品質も高く評価される「かもしれない」ので、品質スコアを上げる努力をすることにはちゃんとメリットがあります。
ということで、次は品質スコアの構成要素を見ていきましょう。

品質スコアは以下の3つの要素を総合して算出されます。

①推定クリック率

広告主の広告が表示された場合にクリックされる可能性を判定します。過去のクリック率やキーワードの適合性が重要です。

②広告の関連性

広告がユーザーの検索意図と一致する度合いを判定します。検索クエリとかけ離れた広告文などは関連性が下がると考えられます。

③ランディングページの利便性

広告のランディングページが、広告をクリックしたユーザーにとってどのくらい有用かを判定します。キーワード・広告とコンテンツの関連性などに加えて、読み込み速度などの操作性も重要です。
※各要素には、「平均より上」、「平均的」、「平均より下」のいずれかのステータスが付きます。「平均的」「平均より下」の場合に改善の余地があります。

例えば、とあるキーワードの①推定クリック率と②広告の関連性が「平均より上」、③ランディングページの利便性が「平均より下」の場合は、ランディングページの利便性を向上させる改善施策を行うことで、キーワードの品質スコアを上げられるかもしれません。
こうして配信キーワードの品質スコアを上げる行動を繰り返すことで、「広告とランディングページの品質」に良い影響を与え「広告ランク」が上がったら、今までよりも低い費用で広告配信ができたり、今までよりも高い順位で広告表示できる可能性が高まります。

 

「品質スコア」を上げるためには、何をすればいい?

ここまで読んでいただいた方には、「品質スコア」という用語の定義や構成要素が理解できたことと思います。
それでは、品質スコアを構成する3つの要素のステータスを引き上げるために、どういったことができるでしょうか?
各要素について具体的に見ていきましょう。

①推定クリック率

・広告見出しや説明文にクリックしたくなるような文言を含める

→行動を促す「期間限定」、お得感を促す「今だけプレゼント」など思わず目を引く訴求や、他社が追いつけない圧倒的な強み、信頼性などはクリック率の上昇に直結しやすいです。
表現としては数字を用いるとより具体的な訴求となりますので、使える場合は積極的に使いましょう。
広告文の作成については別記事でも紹介していますので、ぜひ合わせて確認ください。
https://altwa.co.jp/google-ads-maximum-number-of-characters-for-search-ads/

②広告の関連性

・広告見出しや説明文にキーワードを入れる

→上記「クリックしたくなるような文言を含める」と関連しますが、品質スコアを上げたいキーワードを広告見出しに含めることで、キーワードと広告の関連性が高まります。
単調な表現にならない範囲で、キーワードに独自の訴求を組み合わせた広告見出しを作成できると良いでしょう。①推定クリック率の上昇効果も期待できます。
加えて、実際の検索クエリの表現を広告見出しに活かすことができれば、よりユーザー心理に沿った広告になるでしょう。

・キーワードをテーマ別にグループ化

→キーワードを広告見出しに含めるためには、広告グループを可能な限り細分化して、サービス別や用途別に出し分けする必要があります。
一方で、細分化しすぎると管理が煩雑になったり機械学習が進みにくくなる点には注意が必要です。

③ランディングページの利便性

・キーワード、広告文との関連性を高める

→ランディングページでは、キーワードや広告文で表現している内容に沿ったコンテンツを用意することで、各要素の関連性が高まります。
キーワードを検索したユーザーが求める情報を正しく提供しましょう。場合によってはキーワード(広告グループ)ごとにランディングページを複数パターン作ることも良いですね。

・ユーザーに望む行動をしてもらえるような設計をする

→ユーザーにどのような順序で情報を提供すれば興味を持ち続けて読んでもらえるか、どのタイミングでCTAボタンを配置すれば行動してもらえそうかをよく考えてランディングページを設計しましょう。ユーザーの離脱が低いページや、ユーザーが望む結果につながるページは利便性の向上に貢献します。
例:ユーザーの悩み→商品の紹介→この商品が良い理由→お客様の声や実績などの信頼性→購入などの行動を促す

・表示速度の向上

→システム的な閲覧のしやすさは利便性の向上に直結します。特殊なギミックやこだわりを詰め込みすぎて読み込みが遅い、モバイルに最適化できていないなどの問題は最優先で解決しましょう。

 

品質スコアを上げたいときの注意点は?

最後に、品質スコアに直接的に関連しない要素を注意点としてご紹介します。

・品質スコアは、キーワードと完全に同内容の検索に対するインプレッション実績に基づく評価のため、キーワードのマッチタイプを変更しても品質スコアには影響しません
・入札単価は広告ランクには影響することがありますが、広告の品質評価には影響しません。
・記録されたコンバージョンの件数は、広告の品質評価に影響しません。

最終的な広告ランクの決定には関係してくる可能性はありますが、ここを変更、改善しても品質スコアに影響しないことは注意しましょう。

 

まとめ

繰り返しますが、品質スコアはあくまで「目安」であって広告ランクを構成する「要素」ではないので、広告効果を高める(入札単価を下げてCPAやROASを改善する、広告表示順位を上げてCVを増やす)ことを達成するために、品質スコアの良し悪しで一喜一憂することはあまり効率的ではありません。
しかしながら、品質スコアを上げる施策はWeb広告において最低限かつ重要な行動であるため、これらの取り組みを愚直に行うことはより良い広告運用につながっていきますので、それぞれの用語の定義を理解しつつ、最速で成果を伸ばせる行動を続けていきたいですね。

別記事にてYahoo!広告における広告ランクについてまとめてありますので、ご興味ある方はぜひご覧ください。

【詳解】Yahoo!検索広告、オークションランク(広告ランク)について
https://altwa.co.jp/yahoo-search-ads-auction-rank/

【詳解】Yahoo!検索広告「広告の品質」について
https://altwa.co.jp/yahoo-search-ads-quality/

宮田 昌平

宮田 昌平

横浜国立大学卒業。大手インフラ会社で営業職を経験後、マーケティングの世界へ。サウナ、マンガ、キャンプが趣味の2児の父

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