「広告の品質」は、掲載順位やクリック単価を決定する上で非常に重要な指標です。
しかし、日々の広告運用ではコンバージョン率やコンバージョン単価などを意識するあまり、あまり意識していない運用者も多いのではないでしょうか。
そこで今回は、実はとても重要な「広告の品質」について紹介していきます。
「広告の品質」とは
ユーザーに対する広告の有用性、利便性をスコアリングしたもので、広告の掲載順位や広告表示オプションの有無を算出する際に使用されるオークションランクを構成する要素です。
オークションランク = 入札価格 × 広告の品質
「広告の品質」が高ければ、競合に入札価格が劣っていたとしても上位に表示される可能性が高くなるため高ければ高いほど良いです。
システムが決定している指標のため確認することができませんが、「広告の品質」の参考値として品質インデックスを確認することが推奨されております。(品質インデックスについては後述)
「広告の品質」を構成する要素
「広告の品質」は大きく7つの要素を元に算出されております。
指標 | 内容 |
推定クリック率 | 当該広告(タイトル・説明文)がどれだけクリックされうるかという推定の値です。広告の過去のクリック数やインプレッション数の影響を受けます。 |
ランディングページの利便性 | 広告をクリックしたインターネットユーザーにとってランディングページの利便性が高いかどうかの評価項目です。ランディングページは、最終リンク先URLに設定されたページを指します。 |
広告文と検索クエリーの関連性 | 広告文と検索クエリーがどの程度一致しているか |
表示URLの過去のクリック率 | その表示URLがどれだけクリックされたかという実績値です。 |
広告が掲載された地域別の掲載実績(アカウント全体) | 提供エリアが限定されるビジネスの場合、提供エリアの方がそれ以外のエリアに比べクリック率が高まることが予想されます。そういった地域別の実績を考慮 |
インターネットユーザーの検索クエリー | 検索クエリーに一致率の高いタイトルがある広告が選出されやすい |
各種デバイス(PC、スマートフォン、タブレット)での広告の掲載実績 | - |
ユーザーに対する広告の有用性、利便性をスコアリングしている指標だけあって、広告のクリック率だけではなく、検索ユーザーの置かれている状況も加味されて算出されているのが分かります。
一方で、「広告の品質」の参考値として有用な品質インデックスはどういったもので、どのような指標で構成されているのでしょうか。
品質インデックスと、構成する要素
品質インデックスとは
品質インデックスは、広告の関連性、ランディングページの利便性および、推定クリック値により算出される指標で、キーワード一覧およびキーワードレポートで確認することが可能です。
10段階評価で、10に近いほど品質が高い評価となります。
品質インデックスを構成する要素
品質インデックスは以下3つの指標を元に算出されています。
指標 | 内容 |
推定クリック値 | 広告が表示された際にどれだけクリックされるかの推定値です。 |
ランディングページの利便性 | 広告をクリックしたインターネットユーザーにとってランディングページの利便性が高いかどうかの評価項目です。ランディングページは、最終リンク先URLに設定されたページを指します。 |
広告の関連性 | 検索クエリーと広告文の関連性が高いかどうかの評価項目です。 |
「広告の品質」と品質インデックスの違いをまとめるとこのようになります。
広告の品質 | 品質インデックス |
推定クリック率 | 推定クリック値 |
ランディングページの利便性 | ランディングページの利便性 |
広告文と検索クエリーの関連性 | 広告の関連性 |
表示URLの過去のクリック率 | - |
広告が掲載された地域別の掲載実績(アカウント全体) | - |
インターネットユーザーの検索クエリー | - |
各種デバイス(PC、スマートフォン、タブレット)での広告の掲載実績 | - |
ランディングページと、検索クエリと広告文の関連性はどちらも重要視しております。
クリックについても(「推定クリック率」「推定クリック値」)、指標の名称が「率」と「値」で異なるものの、「どの程度のクリックが見込めるか」という点を重要視していることが伺えます。
実際、ヤフーの山口創一郎さんは、クリック率が「広告の品質」「品質インデックス」に与える影響について以下のように述べてます。
広告の品質はいくつかの指標を元にリアルタイムで更新されています。表示URLの過去のクリック率、広告文と検索クエリの関連性、デバイスや地域ごとの掲載実績や、そこから導き出される推定クリック率。これらの指標が相まって広告の品質が決まるわけですが、
中でも影響が大きい指標としてクリック率が上げられます。クリック率と比例して高まるのが品質インデックス。品質インデックスはいわばキーワードの成績表。つまり「広告の品質」を高めたければクリック率を上げるないしは品質インデックスを高めるということになります。
広告ビジネスを営むYahoo!としては、クリックが発生しなければ収益が発生しませんのでクリック率を重視するのは容易に想像できますね。
「広告の品質」を高めるための具体的な方法
「広告の品質」と品質インデックス両方で重要視されている「クリック率」を高めることの優先度は高いと考えられ、クリック率を上げるために
- 広告表示オプションの導入
- 広告パターンの追加(ABテスト)
- 広告タイトルの追加(レスポンシブ検索広告の場合)
- 除外キーワード
- キーワードの追加/削除
などの対応を検討しましょう。
まとめ
いかがだったでしょうか。
「広告の品質」はブラックボックス化していますが、品質インデックスの構成要素を理解することで類推することが可能です。よい広告文を作成しよりパフォーマンスを高めていきましょう。