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Google広告、同じアカウント内で競合する?オークションの仕組みを徹底解説!

「一つの検索語句に同じアカウント内の複数キーワードが競合することはないのだろうか?」
と疑問に思ったことはないでしょうか?

登録した検索キーワードにて広告表示された検索語句を確認すると、同じ検索語句が複数のキーワードで表示されていることがあります。
(例:検索語句「男性 ズボン おすすめ」が、キーワード「男性 服」のインテントマッチと「男性 パンツ」のフレーズ一致で配信されている)
このような場合、どのような仕組みでオークションが行われて、どのキーワードがどのような仕組みで優先順位が付いて配信されるのでしょうか?

 

同じ広告アカウントのキーワードはオークションで競合しない

結論から申し上げますと、同じ検索語句に一致する可能性がある複数キーワードが登録されている場合、これらのキーワード同士でオークションが競合することはありません。
この場合、検索語句に対して1つのキーワードのみが広告表示に使用されます。
使用されるキーワードは、下記のような優先度に基づいて決定されます。

参考:Google 広告アカウントでのキーワードと検索テーマの優先順位付けについて – Google 広告 ヘルプ

 

優先度1:検索語句と同一の完全一致キーワード

例えば、検索語句「男性 ズボン おすすめ」に対して、検索キャンペーンの同一完全一致キーワード[男性 ズボン おすすめ]が、他のインテントマッチキーワード・フレーム一致キーワード・P-MAXキャンペーンよりも優先されます。

 

優先度2:検索語句と同一のフレーズ一致キーワード
検索語句と同一のインテントマッチキーワード
検索語句と同一の検索テーマ

検索語句「男性 ズボン おすすめ」に対して、同一のフレーズ一致キーワードorインテントマッチキーワードor検索テーマがある場合は、上記検索語句に一致する可能性がある「男性 服」のインテントマッチや「男性 パンツ」のフレーズ一致よりも優先されます。
つまり、「完全一致>その他」の順に、同一キーワードが優先されるということです。

※「同一」には、「男性 ずボん オススメ」など誤字修正した検索語句が含まれますが、「男性のズボンのおすすめ」など類義語と判断される検索語句は含まれません。
参考:Google広告、P-MAX「検索テーマ」とは?特徴や使い方を解説 – ALTWA合同会社

 

優先度3:AIに基づくキーワードの優先順位付け

キーワードによって、検索語句と関連性が高いものや低いものがあります。
例えば検索語句「男性 ズボン おすすめ」に対して、キーワード「男性 パンツ 人気」の方が「男性 服」より関連性が高いと考えられます。
このように、優先度1及び2に該当しない場合は、最も関連性の高い広告グループの最も関連性の高いキーワードのみが考慮されます。

 

優先度4:広告ランク

優先度1~3の条件に基づいて優先度が同じである場合は、広告ランクが最も高い広告を生成する広告グループまたはアセットグループが優先されます。
参考:Google広告の広告ランクと品質スコアの違いについて解説!分かりづらい仕組みと定義を徹底解析 – ALTWA合同会社

 

補足:動的検索広告、P-MAXキャンペーンの優先度について

・検索テーマのない動的検索広告と P-MAX 広告は、検索語句と完全一致でないキーワードと同様の優先ルールで扱われます。(→優先度2以下)
 キーワードが検索語句と同一でない場合、動的検索広告と P-MAX 広告は、アカウント内の他の検索広告キーワードと比較され、広告ランクが最も高いものが表示されます。(→優先度4が適用され、優先度3には入れない)
 ※優先ルールの例外も同じく適用されます。

・P-MAX キャンペーンの検索テーマには、検索キャンペーンのフレーズ一致キーワードとインテント マッチ キーワードと同じ優先順位が適用されます。(→優先度2)

参考:動的検索広告について – Google 広告 ヘルプ
参考:P-MAX キャンペーンについて – Google 広告 ヘルプ

 

オークションの仕組みを理解しないことにより起こりえる事例

ここまでで、オークションにかけられるキーワードには優先順位があることが理解できたと思います。

それでは、この仕組みを十分に理解しないことによる落とし穴は、どんなところにあるのでしょうか?
具体例を以下で説明したいと思います。

【設定したキーワード】
キーワードA”男性 パンツ”→入札単価100円
キーワードB[男性 ズボン おすすめ]→入札単価50円

【注意点】
検索語句「男性 ズボン おすすめ」に対してオークションがかけられるとき、同一の完全一致キーワード(優先度1)であるキーワードBが表示される。
しかし、BはAよりも設定した入札単価が低い。
そのため、Bで表示されることによってAで表示される場合より広告ランクが低くなる可能性があり、結果としてAで表示された場合よりも他の広告主の広告より掲載順位が落ちてしまう可能性がある。

つまり、
完全一致キーワードに対して安易に低い入札単価を設定してしまうと、狙ったキーワードのはずなのに他社より表示順位が落ちてしまう可能性が高まってしまいます。
そのため、完全一致キーワードの入札単価を設定する際は、他フレーズ一致やインテントマッチキーワードで設定している入札単価を考慮に入れることが重要です。

もちろん有効に活用することも可能で、
例えばある特定の検索語句を完全一致キーワード登録し、入札単価を意図的に設定することで、その特定の検索語句のクリック単価を任意でコントロールすることができます。

 

まとめ

いかがでしたか?
同じアカウント内の複数キャンペーンでキーワードが競合することはありません。
しかし「どのような検索語句に対してどのキーワードが優先的にオークションにかけられるか」についての前提知識がないと、機会損失や広告費の無駄遣いにつながる可能性があります。
ウェブ広告にある程度精通している人なら感覚で操作している部分も多いでしょうが、広告運用における様々な仕組みや規則を今一度見直してみるのも良いかもしれませんね。

宮田 昌平

宮田 昌平

横浜国立大学卒業。大手インフラ会社で営業職を経験後、マーケティングの世界へ。サウナ、マンガ、キャンプが趣味の2児の父

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