Meta広告

真の広告効果を確認できるMeta広告の「インクリメンタルアトリビューション」とは?

Meta広告の運用を行っているが、本当に売上アップに繋がっているのか?

そんな疑問を感じたことはありませんか?一般的なアトリビューションモデルでは測ることのできない、Meta広告が本当に生み出した真の広告効果を測定する画期的な手法が「インクリメンタルアトリビューション」です。

本記事では、このインクリメンタルアトリビューションについて、どのような仕組みなのかをご紹介いたします。

インクリメンタルアトリビューションとは何か?

これまでのMeta広告の広告効果測定では、広告に接触したユーザーがコンバージョンに至った場合、そのコンバージョンを広告の成果とみなす「ラストクリック」や「データドリブン」などのアトリビューションモデルが主流となっていました。広告がクリックされてから7日間や広告がユーザーに表示されてから1日間などですね。

これまでのアトリビューションモデルと違い、インクリメンタルアトリビューションとは、広告に接触しなかった場合でも発生していたであろう成果」を除外し、「広告に接触したことによって追加で生み出された成果」を測定する考え方です。

少し難しい内容ですが、このインクリメンタルアトリビューションは、従来の測定方法で抱えていた課題を解決することができる測定方法です。

従来のアトリビューションモデルの課題

従来の測定方法では、既に購入を検討していたり、購入の意思を固めているユーザーが広告に接触した場合でも広告の成果として計上されていました。まったくの無駄というわけではない(購入の後押しになっている可能性も有)のですが、広告の効果がある程度過大評価されており、広告投資が実際にどれだけ利益をもたらしたのかを正確に把握しにくいという状態でした。

Meta広告の管理画面ではすごい良い結果なのに、実際の売り上げは微妙だったり、あまり伸びていない…そんな問題の原因の一つが広告の過大評価のせいかもしれません。

インクリメンタルアトリビューションは、この課題を解決し、広告投資が真にもたらした純粋なビジネスインパクトを可視化することを目的とされています。

インクリメンタルアトリビューションの仕組み

Meta広告におけるインクリメンタルアトリビューションの計測は、主に「リフトスタディ(Lift Study)」と呼ばれる手法によって行われます。

リフトスタディは、広告を表示する「テストグループ」と、広告を表示しない「コントロールグループ」を設定し、両グループの行動を比較することで、広告がどれだけの「リフト(追加の成果)」を生み出したかを測定します。

テストグループ

実際に広告を表示するターゲットオーディエンスです。設定した年齢や興味関心者などをもとに広告を表示します。

コントロールグループ

テストグループと類似した属性を持つが、広告は表示されないターゲットオーディエンス。Metaのシステムが自動的に適切なコントロールグループを設定してくれます。

広告の配信と成果の比較

Meta広告のシステムがグループを二つに分けたところでテストグループに広告を配信し、コントロールグループには広告を配信しません。広告配信終了後にテストグループとコントロールグループのCV数や売り上げなどの指標が比較されます。

コンバージョン数(テストグループ) – コンバージョン数(コントロールグループ) = 広告によるコンバージョン数の増加分

この増加分が、広告がもたらした「インクリメンタルな成果」となります。

Meta広告管理画面での確認方法

では実際にMeta広告の管理画面で広告のインクリメンタルな効果を確認していきます。ただし、確認できる期間は2025年4月1日からのデータのみとなっています。

まずは、「列」から「アトリビューション設定を比較」をクリックします。

すると、ページ下部に「インクリメンタルアトリビューション」の項目が出てきますので、チェックを入れます。チェックを入れると「すべてのコンバージョン」と「最初のコンバージョン」の2種類を選択することができます。両方選択することも可能ですが、今回はわかりやすく、「すべてのコンバージョン」のみにチェックを入れて適用をクリックします。

すると、管理画面にインクリメンタルアトリビューションの列が追加されるので、各指標を確認することができます。添付画像はある期間の実際の配信データになります。

赤枠は期間中最もコンバージョンが多かった配信キャンペーンです。通常の見方だとコンバージョン数は66件ですが、インクリメンタルアトリビューションで確認すると、コンバージョン数は32件となっています。これは獲得できたコンバージョンのうち、約半分は広告と接触しなくてもコンバージョンしたという予測値になっています。ですので、同様に結果の単価(CPA)や購入ROAS(広告費用対効果)も約半分程度の数値になっているのがわかります。

まとめ

御覧の通り、通常の数値とインクリメンタルアトリビューションの数値、この数字の乖離が大きければ大きいほど広告本来の成果は薄くなっていきます。ただ、冒頭でもお伝えしましたが、これはあくまでシステムの予測値ということ、また最終的に購入の後押しになっている可能性も全然残りますので、結果をそのまま鵜呑みにするのも良くはないでしょう。本来の広告成果を見極めて、限られた予算の中で適切な予算配分をするための参考データにしてみてはいかがでしょうか。

インクリメンタルアトリビューションは、従来の広告効果測定の限界を超え、デジタル広告の真の価値を明らかにするための強力なツールです。特にプライバシー保護が強化される現代において、その重要性は高まる一方です。Meta広告を運用している方は、ぜひこのインクリメンタルアトリビューションの活用を検討してみてください。

吉田 武士

吉田 武士

県内のデジタルマーケティング企業で管理職を経験後ALTWAに参画。プライベートではサッカーチームのキャプテンを務める

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