検索広告を運用するにあたり、除外キーワードの設定はとても重要です。ユーザーの検索語句に対して、適切な広告を表示させることが検索広告の基本なので、関連性が低い検索語句に対しては広告を表示させたくないですよね。
本記事では、検索広告の成果を引き上げるために重要な除外キーワードの仕様や注意点などについてご紹介致します。
除外キーワードの重要性とメリット
関連性の低い検索語句からのクリック数を抑制する。みなさんご存じの通り、一番のメリットはこれです。ここで言う、「関連性の低い」とは、全く関係の無い検索語句の他に、関連性はあるがCPAやROASなどが悪いという意味合いも含まれています。
検索広告のクリック単価は、業種によって様々で、1クリックあたり500円以上もする業種もあります。クリックにかかるコストを節約し、ランディングページに質の高いユーザーを誘導する上で除外キーワードの設定は必要不可欠です。
除外キーワードのマッチタイプ
検索キーワード同様に除外キーワードにも3種類のマッチタイプが存在します。検索キーワードのマッチタイプを理解されたい方は下記の記事を参考にしてみて下さい。しかし、通常の検索キーワードのマッチタイプと性能が異なるので注意が必要です。こちらについては後述致します。
完全一致
完全一致で「スマホ 修理」を除外キーワード設定した場合です。完全一致の除外キーワード設定は、完全に一致するキーワードが別の語句を含まずに同じ語順で検索に使用された場合に、広告が表示されなくなります。
除外キーワード:「スマホ 修理」 | |
検索語句 | 広告の表示対象 |
「スマホ 修理」 | × |
「スマホ 故障」 | 〇 |
「修理 スマホ」 | 〇 |
「スマホ 修理 業者」 | 〇 |
「スマホ 故障 修理」 | 〇 |
〇:広告表示可能 ×:広告表示不可
フレーズ一致
フレーズ一致で「スマホ 修理」を除外キーワード設定した場合です。フレーズ一致は完全一致と同様に一致するキーワードが同じ語順で検索に使用された場合に、広告が表示されなくなります。完全一致と異なるのが、検索に別の語句が含まれている場合でも、すべてのキーワードが同じ語順で検索に使用されていれば、広告が表示されない点です。
除外キーワード:「スマホ 修理」 | |
検索語句 | 広告の表示対象 |
「スマホ 修理」 | × |
「スマホ 故障」 | 〇 |
「修理 スマホ」 | 〇 |
「スマホ 修理 業者」 | × |
「スマホ 故障 修理」 | 〇 |
〇:広告表示可能 ×:広告表示不可
インテントマッチ(部分一致)
インテントマッチ(部分一致)で「スマホ 修理」を除外キーワード設定した場合です。除外キーワード設定時のデフォルトのマッチタイプで、そのキーワードに含まれるすべての語句が検索に使用された場合に(語順は問わない)広告が表示されなくなります。
除外キーワード:「スマホ 修理」 | |
検索語句 | 広告の表示対象 |
「スマホ 修理」 | × |
「スマホ 故障」 | 〇 |
「修理 スマホ」 | × |
「スマホ 修理 業者」 | × |
「スマホ 故障 修理」 | × |
〇:広告表示可能 ×:広告表示不可
除外キーワードの注意点
表記ゆれや類似パターンは一致しない(拡張されない)
既にお気づきの方もいるかもしれませんが、除外キーワードでは基本的に検索語句と一致しないと除外適応されませんが、検索キーワードの完全一致では、「スマホ」という検索キーワードで「スマートフォン」という検索語句を拾ってきてくれます。除外キーワードの場合だと「スマートフォン」は表示されてしまいます。
検索語句:「スマートフォン」 | ||
検索キーワード:「スマホ」 | 広告表示してくれる | 拡張される |
除外キーワード:「スマホ」 | 広告表示されてしまう | 拡張されない |
検索キーワードでは関連性のある語句なので、予期に計らいある程度キーワードを拡張してくれますが、除外キーワードにはそれがない。そこがマッチタイプ性能の大きな違いでしょう。
除外しているのに表示される場合
形態素解析による認識
Googleの検索は形態素解析というもので認識されており、検索語句を最小の単位で区切るという特徴があります。検索語句を確認すると半角のスペースが入っている語句を見たことがあると思います。「スマホ修理」という語句は一見すると1文字ですが、Googleでは「スマホ」と「修理」に分けられ2語として認識されます。
以前に、「〇〇 と は」という検索語句を発見し、情報を知りたいだけの検索語句だと思い、「とは」を除外キーワードで設定しましたが、その後も「〇〇 と は」という検索語句を拾っていたことがありました。
結論、スペースの有無は一致に考慮されているので、ありなしどちらも除外設定するほうが良いでしょう。
長すぎる検索語句
またまたマニアックな内容で、なかなかお目にかかれませんが、Google広告の場合は17語以上、Yahoo!広告の場合は11語以上の長すぎる検索語句の場合は除外の適応外になってしまいます。ここでの検索語句数も形態素解析により認識されたものです。詳しくは下記を参照してみて下さい。
17 語以上からなるフレーズを検索しているユーザーが、17 番目以降の語に除外キーワードと同じ語句を使用した場合も、広告が表示される可能性があります。
インターネットユーザーが11語/7語以上の語句で検索した際、検索した語句の11語目/7語目以降に対象外キーワードが入っている場合は、配信対象外とならず広告が配信されることがあります。
過度なキーワードの除外や設定ミス
無駄なキーワードのコストをカットできる除外キーワードですが、除外キーワードの設定をしすぎたり、マッチタイプの設定ミスをしてしまうと、配信量が減少し機会損失になってしまう可能性もあります。
前述した通り、除外キーワードに拡張性が無いのは、拡張することで配信量を落とさないようにするという背景があります。除外キーワードの設定をする際は、慎重にキーワードとマッチタイプを選定するようにしましょう。
配信量が減少した場合などは、一度除外しているキーワードを見直してみると良いかもしれませんね。
登録できない文字
補足程度になりますが、除外キーワードに使用できる記号には制限があり、「アンパサンド(&)」、「アクセント記号(á など)」、「アスタリスク(*)」、この3種類は使用可能な記号です。その他の記号やサイト演算子、検索演算子などは使用できないのでご注意ください。
まとめ
自動入札と相性の良いインテントマッチ(部分一致)の活用が増えてきている一方で、学習データの蓄積までは、まだまだ関連性の低い検索語句で広告表示がされている印象です。除外キーワードの仕様を正しく理解し、不要なクリックを抑制、費用対効果UPに繋げるようにしましょう。
除外キーワードの設定方法については、また別の機会に詳しくご紹介したいと思います。