Yahoo!レスポンシブ検索広告(RAS)とは2021年5月から提供された広告タイプで、2022年9月に拡大テキスト広告が新規入稿ができなくなる代わりとなる広告でもあります。
今回は今後長いお付き合いになりそうなレスポンシブ検索広告について詳しく解説していきます。
レスポンシブ検索広告とは
ユーザーに意図に沿った広告文が配信できるよう、広告文を動的に変更する広告タイプです。
具体的には、1つの広告内に複数のタイトル、説明文を設定することで、アセット(タイトル、説明文)が自動的に組み合わされます。最適な広告文を配信するため、次のようなシグナルを用いられています。
- 検索語句と広告文の関連性
- 広告掲載時のデバイス
- 掲載面
レスポンシブ検索広告では、タイトル・説明文を構成するテキスト(アセット)を複数入稿します。アセットを自動的に組み合わせてさまざまな広告文のテストが行われ、最適な広告が掲載されるようになります。
検索語句と広告文の関連性や、広告掲載時のデバイスや掲載面などを判断し、自動で最適化することにより広告効果の向上が期待できます。
自動的に組み合わせて配信されるレスポンシブ検索広告ですが
広告文で必ず表示させたいタイトル、説明文もあると思います。
その場合、表示位置固定機能を使用することで任意のタイトル、説明文を任意の位置に固定することができます。
また、固定機能をフル使用すれば拡大テキスト広告のように活用することも可能です。
これまで拡大テキスト広告に慣れ親しんだ方にとって表示位置の指定は嬉しい機能ではありますが、デメリットとして最適なアセットを見つけ出すのに必要以上に時間を要してしまうということがありますので、この点も踏まえて固定機能を検討しましょう。
広告効果を高めるため、表示位置は「固定しない」でのご利用を推奨します。広告掲載基準で表示記載が定められている内容がある場合など、必要な場合のみご利用ください。
レスポンシブ検索広告の規定
入稿件数(必須) | 入稿件数(最大) | 文字数 | 文字数計算方法 | |
タイトル | 3件 | 15件 | 30文字以内 | 全角および半角カナを2文字、半角英数を1文字とカウント |
説明文 | 2件 | 4件 | 90文字以内 |
ちなみに、レスポンシブ検索広告でも「キーワードの自動挿入」「 アドカスタマイザー」「カウントダウン関数」などの埋め込み関数の使用が可能ですが、1つのアセットに使用できる埋め込み関数は3件までとなっています。
レスポンシブ検索広告でもアドカスタマイザーは使えます
リリース時は使用できなかったアドカスタマイザーですが、2022年6月から使用できるようになりました。
アドカスタマイザーとは、事前に登録した文字列や数値を自動で挿入できる機能で、商品価格や割引率などを広告内に挿入でき、レスポンシブ検索広告で使用することでより訴求力のある広告文がきたいできますね。
レスポンシブ検索広告の推奨設定
- タイトル5本以上
- 文字数の異なるものを織り交ぜる
- 様々な訴求軸を入れる
レスポンシブ検索広告の学習が進むようタイトルは多ければ多いほど良いとされており5本以上とされております。
また文字数については、タイトル30文字すべて使用するパターン以外に、短いパターンも入れると良いとされております。これは、一般的に適度な余白のある文章の方が、余白のない文章に比べ視認性が高いことに起因していると思われます。
キャッシングの広告を参考に紹介させていただくのですが、余白少なめの方は実際に配信されていた結果で、余白多めは筆者の妄想で赤字もタイトルも妄想です。
30文字すべて使用しないパターンの方は、タイトル3の右に大きなスペースが生まれるため、競合他社の広告や個々人の感覚にもよりますが、余白少なめに比べスッキリしている印象があり、伝えたいことが明確になってるような気もしますね。
訴求軸について、バリエーションがあることは最適化の学習が進むだけでなく、様々な検索クエリーに対して関連性の高い広告文で対応できるようになることで「広告の品質」向上が期待できます。「広告の品質」は広告の掲載順位やクリック単価などに影響するため、向上することで広告掲載順位が上がったり、平均クリック単価を抑えたりすることが期待できます。
「広告の品質」は確認することができませんが、「広告の品質」の違いからくる掲載結果と想定されるデータはあちこちで確認できます。
例えば、筆者の広告アカウントでは同じ広告グループ&同じ入札価格で配信しているレスポンシブ検索広告と拡大テキスト広告があるのですが
レスポンシブ検索広告の方が拡大テキスト広告に比べクリック率が高く、インプレッションにおけるページ最上部および上部の割合が高まっているものがあります。
同一広告グループ内のため、キーワードの品質インデックスはなので同じであるにも関わらず、広告の掲載順位が大きく異なるということは、拡大テキスト広告に比べレスポンシブ検索広告の方が「広告の品質」が高いのではと推測されます。
ちなみに、これまで「広告グループに1つ以上のレスポンシブ検索広告の登録し、拡大テキスト広告と併用して運用」ということが推奨されてきましたが、2022年9月に拡大テキスト広告が新規入稿できなくなるため、拡大テキスト広告との併用はあまり意識する必要が無いと考えられます。
レスポンシブ検索広告の改善方法
リリース時はアセット毎の掲載結果を確認できなかったレスポンシブ検索広告ですが
2022年6月より「インプレッション数」「掲載評価」が確認できるようになりました。
掲載評価は次のように次のような意味になります。
掲載評価ステータス | 説明 |
最良 | 同じアセットの中で最も掲載結果が良い |
良好 | 同じアセットの他アセットと比べ掲載結果が良い |
低 | 同じアセットの中で最も掲載結果が低い |
学習中 | 評価に必要な情報を収集している場合に表示される。 例えば、該当のアセットを含む広告の約30日間のインプレッション数は5,000程度以上であるものの、そのアセットに対して十分なインプレッションが発生していないなどがある |
保留 | 評価ができない場合に表示される。 例えば、該当のアセットを含む広告の約30日間のインプレッション数が5,000未満などがある |
未評価 | アセットの評価を表示できない状態 |
掲載評価を全て「最良」にすることでインプレッション数を最大化できたり、クリック率の向上が期待できますが、コンバージョンが増えるとは限りません。
コンバージョンを増やしたい場合は、コンバージョンに繋がっている検索クエリーを確認し、もしアセットになければ追加を検討しましょう。
レスポンシブ検索広告は、アセットの内容に応じて(≒広告文で使用されているキーワードによって)ヒットする検索クエリーが変化する傾向にあり、コンバージョンに繋がっている検索クエリーの追加は該当キーワードでの表示機会の最大化が期待できるためです。
ただし、既にインプレッションシェア損失率(掲載順位)が低いキーワードの場合は既に上限まで配信されており、更なる配信拡大ができないため、ただコンバージョンクエリーを追加するのではなく、ンプレッションシェア損失率(掲載順位)も確認し追加することをおすすめします。
まとめ
いかがだったでしょうか。
拡大テキスト広告に比べコントロールしづらいレスポンシブ検索広告ですが、先に紹介しました通り表示固定機能をフル活用することで拡大テキスト広告のような使い方もできます。
ルールの中でやれることをしっかりやっていきましょう。