Web広告運用に携わる皆さんは、広告に審査基準があることを当然ご存じと思います。
虚偽広告や誇大広告はもちろんのこと、それぞれの広告媒体ごとに非常に細かいガイドラインが設定されていますよね。
これらを遵守した広告を出稿する必要がありますが、毎回すべてのガイドラインをチェックして入稿するのは現実的に難しいですよね・・・。
過去の経験や知識でOKと判断し入稿したものの、「審査落ちして配信されなかった!」という経験は運用者ならだれもが一度はあると思います。
今回の記事では、「Yahoo!広告」の審査基準における重要な部分を抜粋してご紹介します。
また、審査落ちしてしまったときの対処法も合わせてご紹介します。
Yahoo!広告の掲載基準について
公式ヘルプの様々なページに記述がありますが、下記URLのページが広告掲載基準を網羅的にまとめてあり、分かりやすいのではないかと思います。
https://s.yimg.jp/images/listing/pdfs/koukokukeisaikijyun.pdf
この中から、審査基準を意識していても引っ掛かりやすい項目を4つ解説します。
- 最上級表示やNo.1表示における注意(9ページ)
「最大」「最高」「最小」「最速」「No.1」「世界初」などの言葉を広告に表示する場合は、その表示に近接する適切な場所に以下を表示してください。
(1) その事実が客観的な調査に基づいていることが確認できること
(2) 最上級である範囲、領域を明確にするなどして調査結果を正確に引用していること「なぜ最上級なのか」「どの範囲でNo.1なのか」などを明確にできない場合は、不当表示に当たるので注意しましょう。
- 比較広告における注意(9ページ)
比較広告を掲載する場合は、以下を満たす必要があります。
なお、業界の公正競争規約で比較広告に対し制限がある場合はそれに従う必要があります。
(1) 比較広告で主張する内容が客観的に実証されていること
(2) 比較されている数値や事実を正確かつ適正に引用すること
(3) 比較の方法が公正であること比較では、他の会社や個人のサービスを挙げることになるので、その根拠が明確でなければ不当表示にあたるとともにトラブルの元になります。
- 業種、商品、サービスごとの掲載基準における注意(13~20ページ)
旅行業や医療機関、マッサージなど全36種類の業種やサービスにおいて、個別に掲載基準が定められています。
ユーザーに誤解を招きやすかったり、適切でない利用により身体的・経済的に損害を与える可能性があるサービスの広告表現には、特に注意が必要です。
特に医療機関は、広告出稿時の抵触理由の問い合わせがもっとも多い業種となっております。 - 薬機法における注意(21~26ページ)
ここが理由で審査落ちした経験がある方は多いのではないでしょうか?
医薬品や化粧品、食品などは薬機法によりかなり細かい表現規制がありますので、これらのサービスを取り扱う方は出稿前に念入りにチェックすることをお勧めします。
出稿前の広告チェック
上記の広告掲載基準をすべて頭に叩き込むのは非常に難しいことと思います。
そこで、Yahoo!広告では「入稿前1分チェック」と称して具体的かつ簡潔なチェックリストを用意してあります。
下記URLにて、自分たちの業種やサービスに置き換えてチェックしてみてください。
“うっかり”否認を防ぐ! 入稿前1分チェック-医療機関編-
https://s.yimg.jp/images/ads-promo_edit/learningportal/pdf/guideline/medical_chk.pdf
“うっかり”否認を防ぐ! 入稿前1分チェック -薬用化粧品(医薬部外品)、化粧品・健康食品編
https://s.yimg.jp/images/ads-promo_edit/learningportal/pdf/guideline/cosme_healthfoods_chk.pdf
いざ出稿!・・・でも、審査落ちしてしまった・・・
出稿前にここまで念入りにチェックしても、いざ出稿して審査落ちしてしまうことはあります。
そうした場合、また一から審査基準を読み直して、簡単チェックリストでは不安だからガイドラインをイチから再確認して・・・というのは非常に労力がかかりますよね。そもそも、そこまでしたうえでどこを直せばいいか分からなかった。。。という場合もあります。
そんなとき活用いただきたいのが、Yahoo!広告の「ヘルプ」です。
※Yahoo!広告管理画面の右上「ヘルプ」→「お問い合わせ」→「チャットで質問」をクリック
ヘルプでの問い合わせは、AIではなくサポートチームの方々が直接対応してくださるので、否認理由の具体的な箇所やどのような改善を行うと良いかなどを丁寧に教えていただけます。
注意点としては、問い合わせに対応したサポートの方が再審査するわけではないので、改善点などはあくまで「参考」であり、そのとおりに修正しても再審査が通過する保証はありません。
ただ、少なくとも「ここが抵触しているよ」ということは確実に教えていただけるので、憶測で関係ない箇所を修正し、また審査落ち・・・という状況に陥ることはなくなるでしょう。
私が過去に問い合わせした実際の回答を2例ほど挙げますので、どのような回答がいただけるかの参考にしてくだされば幸いです。
(プライバシー保護のため、一部表記を変えております)
リンク先URL:https://○○
抵触理由:継続購入が必要な回数または期間の記載が確認できないため
該当箇所:LP上部右下バナー ○○>○○>○○
<改善案>
継続購入を訴求する場合は、サイト内に下記1~3すべての内容を申込意思決定前(個人情報入力前まで)の視認可能な最短導線上(ボタン上部やフォーム上部など)に記載する必要がございます。
1.継続購入であること
2.特別価格終了後の価格
(初回終了後に自動的に複数個での購入となる場合は、いくつ届くのかに加えて商品ひとつ当たりの価格もしくは総額を記載)
3.継続購入に必要な回数(解約条件)
また、チャッター内等の自動スクロールする箇所に上記の必要要件が記載されていた場合は、ユーザーの見落としの可能性を考慮して記載が無かったものと判断します。
そのためチャッター内等で必要要件について記載する場合は、自動スクロール停止後の画面に記載いただきますようお願いいたします。
<該当箇所>
■リンク先URL:https://○○
■抵触箇所:サイト上部 ○○
<掲載できない理由>
身長を伸ばすことを暗示するような画像あり。
身体の構造や機能に影響を及ぼすような表現のため
広告出稿についての正しい知見を身に付けよう
Yahoo!広告の審査期間は「約3営業日」とのことです。そのため、いくらサポートチームが丁寧に教えてくれるといっても、一度審査落ちしてしまうと修正の時間だけでなく、再審査にも再び時間を奪われてしまいます。配信開始日にお客様との取り決めがある場合などは、かなり致命的な状況になるでしょう。
私たちにできることは、日々広告の出稿基準について正しい知識を身に付ける努力を怠らず、仮に審査落ちした場合も落ち着いて効率的に対処できる術を知っておくことです。
広告の配信開始には、事前に余裕を持った期間を設けておくことも大事かもしれませんね。
ただ審査を通る通らないにこだわらず、「なぜそのような基準を設ける必要があるのか」と出稿基準の本質を理解するよう努めることで、知識やスキルだけではなく、皆さんの広告リテラシーをおのずと上がっていくことでしょう。