2025.12.17

Google広告P-MAXで自動生成された動画を出さないようにするにはどうすれば良い?

Google広告に限らずWeb広告を運用していると、自分の設定した広告を見かけることは多いと思います。ちょっとうれしい時もあれば、いや俺全然ターゲットじゃないしと疑問に思うことも…ただ、こんな広告設定したっけ?というGoogleが自動生成した広告も結構出てきます。特にP-MAX。昨今はAIで様々なものが生成できる時代、Google広告も例外ではありません。

実体験になりますが、以前パソコンでyoutubeを見ていた時に、動画の再生前に私が配信しているアカウントのインストリーム広告が流れてきました。1.5秒くらいパソコンの画面を見つめた後に気づきました。

こんな動画広告知らないのだが…確認してみるとやっぱりそんな動画は入れていない。

実はP-MAXには広告の動画自動生成機能というものが存在しており、広告運用の手間を減らす一方で、意図しないクリエイティブに広告費が使われたり、ブランドイメージの低下に繋がったりするリスクもあります。ではどうすれば意図しない動画広告の配信を避けることができるのかについて今回ご説明致します。

Google広告P-MAX広告の動画自動生成機能

Google広告P-MAXキャンペーンの動画自動生成機能は一言で言うと、動画素材を持っていなくても、Googleが手持ちの素材を組み合わせて勝手に作ってくれる機能です。動画を作りたいけど予算や時間がない!という企業様にとっては非常に便利なツールとなっています。

どのようにして動画が生成されるのか

まったくのゼロからAIが動画を作成するのではなく、P-MAX広告の配信設定時に入力したアセット(画像、ロゴ、見出しや説明文などのテキスト)を元に組み合わせて作成されています。またGoogle merchant centerの商品を関連付けしているP-MAXキャンペーンではmerchant centerのテキストや画像なども参考に動画が生成される可能性があります。

なぜこの機能が存在するのか

P-MAX広告最大のメリットは、Googleのあらゆる広告枠(YouTube、Gmail、検索、ディスプレイなど)に広告を配信できることです。

しかし、YouTubeなどの動画枠には動画素材が必須です。動画を1つも入稿していない場合、この自動生成機能が働かないと、YouTubeなどの効果的な枠に広告が出せなくなってしまい、機会損失につながる可能性があります。つまり「広告の掲載チャンスを逃さないため」の救済措置機能としてこの機能が存在していると考えています。

どんな動画が生成されるのか

一番重要な部分ですね。自動で生成してくれるのは非常にありがたいです。生成のソースがP-MAXのアセットなのである程度関連性のある動画を作成してくれるでしょう。ただ問題はクオリティー面です。

正直、自動生成された動画はテンプレートに当てはめただけの簡易動画でチープな感じは否めません。アセットのテキストや画像を組み合わせたスライドショーのような感じにはなってしまいますので、他広告主との差別化は難しく、ブランドイメージも損ねかねないです。

また、生成されて配信実績のある動画の配信データも確認することが可能です。対象のP-MAXキャンペーンを選択して「アセットグループ」>「アセットの詳細を表示」をクリックします。

対象のアセットがすべて表示されるので、フィルター機能でアセットタイプを「youtubeの動画」、提供者を「Google AI」にセグメントしましょう。これで、Googleに自動生成されて配信された動画の配信データを確認することができます。

動画の自動生成を防ぐためには

自分で動画素材を準備する

最も確実に動画の自動生成を防ぐ方法は、動画素材を自分で準備してアセットに1本以上設定することです。Google側は広告主が用意した動画を優先的に配信するような仕組みになっているようなので、これで対応が可能です。

ただ、もうひとつ大事な設定も推奨致します。

キャンペーン設定で動画の拡張機能をオフする

P-MAXではアセットに追加した動画を拡張するという機能も備わっています。この機能を有効の状態にしていると、横向きの元動画を使って、縦向きの動画をAIが作成したり、短いバージョンの動画を作成したりしてしまいます。

自分が設定する動画だけ出したい!という場合にはこの機能もオフにしておくと良いでしょう。

手順は簡単で、該当のキャンペーン設定>「アセットの最適化」>「動画」>「拡張」のチェックボックスを外して、保存するだけです。

自動生成されたくない、ただ凝った動画も中々作れない…

そんな方は、アセットスタジオを活用すれば、自分でテイストやテキスト、画像などをあらかた指定して作成することができます。

Google広告管理画面の「ツール」>「アセットスタジオ」>「アセットライブラリ」>「youtubeのビデオ」>「動画」>「動画を作成」と進みます。

次の画面で各種テンプレートを選んで自分好みの簡易動画が作成可能です。

また、「作成済の動画と生成済みの動画」の「すべて表示」をクリックすると、これまで自動生成された動画素材を一覧で確認することができるので、これまでにどんな動画が配信されてしまっていたかも合わせて確認可能です。

まとめ

この動画自動生成機能は、「素材不足を解消し、広告の配信面を最大化するためのバックアップ機能」といえるものです。

動画制作のハードルを下げ、画像とテキストさえあればYouTubeなどの強力な広告枠にアプローチできる点が最大のメリットなのですが、一方で、AIによる機械的な編集になるため、ブランドイメージにそぐわないような動画が勝手に配信されるリスクを伴います。

勝手に作成されるのは嫌だ!という人は、しっかりとした動画素材用意して、勝手に拡張されないようにキャンペーンの設定で制限をかけてあげることでP-MAXの自動作成動画のコントロールを推奨いたします。

吉田 武士

県内のデジタルマーケティング企業で管理職を経験後ALTWAに参画。プライベートではサッカーチームのキャプテンを務める