2025.10.15

【リスティング広告の基本】成果を左右する!キーワード「マッチタイプ」を徹底解説

WEB広告運用の成果を大きく左右する要素の一つに、「キーワード」があります。キーワードを効果的に機能させるために欠かせないのが、「マッチタイプ」です。

リスティング広告において、「適切なユーザーに、適切なタイミングで広告を表示する」ために、キーワードのマッチタイプ設定は非常に重要です。

この記事では、リスティング広告の成果向上を目指す皆さまに向けて、Google広告で利用できる主要なマッチタイプとその使い分けについて、具体的な例を交えながら徹底的に解説します。

 

目次

1.マッチタイプとは

2.主要な3つのマッチタイプ

(1)完全一致

(2)フレーズ一致

(3)インテントマッチ(旧:部分一致)

3.マッチタイプの使い分け

4.まとめ

 

1.マッチタイプとは

リスティング広告(検索連動型広告)におけるマッチタイプとは、「広告主が設定したキーワードに対して、ユーザーがどのような検索語句(クエリ)で検索した場合に広告を表示させるか」を制御するための設定です。

この設定を誤ると、

  • 見込み客ではないユーザーにばかり広告が表示され、無駄なクリック(コスト)が発生する
  • 本来取り込むべき見込み客の検索を逃し、機会損失が発生する

といった問題が生じ、広告費用対効果(ROAS)の悪化に直結します。

 

2.主要な3つのマッチタイプ

現在、Google広告で主に利用されている主要なマッチタイプは以下の3種類です。

マッチタイプ 記号・表記 概要 広告の表示範囲
完全一致 [キーワード] 設定したキーワードとほぼ同じ検索語句に対して広告を表示 最も狭い
フレーズ一致 “キーワード” 設定したキーワードの意味を含む検索語句に対して広告を表示 中間
インテントマッチ

(旧:部分一致)

(記号なし) 設定したキーワードと関連性の高い検索語句に対して幅広く広告を表示 最も広い

※かつて存在した「絞り込み部分一致」は、フレーズ一致に統合されました。

参考:Google広告ヘルプ【マッチタイプについて】

ここでは、「設定キーワード」を『メガネ 男性』とした場合に、ユーザーのどのような「検索語句」で広告が表示されるのかを一覧表にまとめます。

 

1)完全一致

マッチタイプ 設定キーワードの表記 マッチする検索語句(広告が表示される)
マッチしない検索語句(広告が表示されない)
完全一致 [メガネ 男性] – メガネ 男性
– 男性 メガネ (語順違い)
– メンズ メガネ (同義語)
– 男性用 眼鏡 (類義語/意味が同じと判断される)
– メガネ 男性 おすすめ
– サングラス 男性
– 女性 メガネ
– 福井 メガネ

【特徴】

  • 〔メガネ 男性〕のように、商品とターゲットが完全に一致する検索は、今すぐ商品を探している可能性が高いユーザーです。
  • 購入意欲が高いため、コンバージョン率(CVR)が高くなりやすく、予算を投下しやすいキーワードとなります。

 

2)フレーズ一致

マッチタイプ 設定キーワードの表記 マッチする検索語句(広告が表示される)
マッチしない検索語句(広告が表示されない)
フレーズ一致 “メガネ 男性” – メガネ 男性 おすすめ ブランド
– 40代 メガネ 男性 人気
– 軽い メガネ 男性 フレーム
– おしゃれな 男性 メガネ
– メガネ ケース 男性用 (「ケース」が入り意味が変わる)
– 男性 の ヘアスタイル メガネ (商品ではなくスタイルに焦点)
– 女性 メガネ おすすめ

【特徴】

  • 『”メガネ 男性”』は、「おすすめ ブランド」「40代」「軽い フレーム」など、具体的な条件を探し始めたユーザーにアプローチできます。
  • どのようなニーズを持つユーザーが流入しているかを分析し、そのニーズに合わせた広告文やランディングページ(LP)を準備することで、成果を高められます。

 

3)インテントマッチ(旧:部分一致)

マッチタイプ 設定キーワードの表記 マッチする検索語句(広告が表示される)
マッチしない検索語句(広告が表示されない)
インテントマッチ

(旧:部分一致)

メガネ 男性 – メンズ ファッション 小物
– かっこいい サングラス
– 男性 の 視力回復 方法
– ビジネス スーツ に合う 眼鏡
– 女性 服 ブランド
– 子供 のおもちゃ
– 時計 修理 おすすめ

【特徴】

  • 『メガネ 男性』の部分一致は、「メンズ ファッション 小物」や「ビジネス スーツに合う 眼鏡」など、メガネそのものではなく、ライフスタイルや関連商品を探している層にもリーチします。
  • これにより、新しい広告グループのヒント(例:「ビジネス用メガネ」のグループ作成)や、除外すべき不要なテーマ(例:「視力回復 方法」)を見つける「探索ツール」として機能します。

参考:インテント マッチ(旧:部分一致): 定義 – Google 広告 ヘルプ

 

3.マッチタイプの戦略的な使い分け

これらのマッチタイプをどのように使い分ければ、最も効果的でしょうか?

弊社では、以下のような戦略的な使い分けを推奨しています。

1) まずは「完全一致」「フレーズ一致」から始める(守りの運用)

  • 予算が限られている場合や、確実な成果を重視したい初期段階では、コンバージョン実績のあるキーワードや、見込み客が確実に使いそうな検索語句を[完全一致]や”フレーズ一致”で登録し、無駄なクリックを極力排除しながら運用をスタートします。

2)成果の高いキーワードを「部分一致」で広げる(攻めの運用)

  • 完全一致やフレーズ一致で既に高い成果(CVRやROAS)が出ているキーワードを、あえて部分一致でも登録します。
  • これは、AIによる学習を最大化し、関連性の高い、しかしまだ発見できていない検索語句からの流入を獲得するためです。
  • 必ず検索語句レポートを細かくチェックし、除外キーワードを徹底して追加することで、部分一致の弱点をカバーします。

3)検索語句レポートの活用は必須!

どのマッチタイプで運用するにせよ、「検索語句レポート」を定期的に確認し、実際にユーザーがどのような語句で検索して広告が表示・クリックされたのかを分析することが極めて重要です。

  • 成果につながっている検索語句: その語句を[完全一致]などで登録し直すことで、表示回数を増やし、品質スコア向上を狙います。
  • 成果につながらない検索語句: その語句を除外キーワードとして登録し、無駄な広告表示を停止します。

 

4.まとめ:リスティング広告の成果は「マッチタイプ」戦略で決まる

今回の記事では、リスティング広告の成果を最大化するために不可欠なキーワードの「マッチタイプ」について、その基本と具体的な戦略を解説しました。

リスティング広告で主に利用する3つのマッチタイプは、それぞれ広告の「表示範囲」と「費用対効果」において異なる役割を持っています。

成果を出す運用では、一つのマッチタイプに頼るのではなく、これらを組み合わせて運用することが重要です。

  1. 守り(完全一致・フレーズ一致)で土台を固める: まずは確度の高いキーワードを完全一致フレーズ一致で設定し、無駄なクリックを抑えながら安定したコンバージョンを獲得します。
  2. 攻め(インテントマッチ)で成長を加速させる: 成果が出ているキーワードを部分一致でも展開し、AIの学習能力を活かしてまだ見ぬ潜在顧客を探し出します。
  3. 「除外キーワード」で常に守備を固める: 部分一致で発見した不要な検索語句は、即座に除外キーワードとして登録し、無駄な広告費の流出を徹底的に防ぎましょう。

マッチタイプを適切に理解し、柔軟に戦略を変えることで、リスティング広告の費用対効果は劇的に改善します。

皆様の広告運用にお役立ていただけますと幸いです!

山本 雅史のアバター

山本 雅史

【新人】小売店で管理職を経験後、WEB広告の世界へ挑戦。野球観戦、ゴルフ、マンガが趣味の2児の父