2026.05.20

TikTok広告が審査落ち!承認される広告表現は?

「思わずクリックしたくなるキャッチコピー」ほど、TikTok広告ポリシーに引っかかってしまい、配信開始直前で審査落ちしてしまった…というのは、運用者なら誰もが一度は経験するトラブルではないでしょうか。

 

本記事では、TikTok広告の不承認の中でも、特に多いと思う「個人を特定するような訴求」について「NG表現」を「OK表現」へ言い換える方法をご紹介します。

 

社内の審査基準づくりや、クリエイティブチェックの参考にしてください。

個人を特定するような訴求とは?

大前提として、TikTokはポジティブで自分らしさを大切にしているSNSです。

 

TikTokでは、ボディポジティブかつインクルーシブな環境(障がいの有無、国籍、性別、年齢などの違いに関わらず、すべての人が排除されることなく公平に参加・活躍できる環境の意)作りをゴールに掲げ、ユーザーが安心して自分らしさを大切にし、自信と価値を感じられる空間の構築に取り組んでいます。当社は、自尊心を育み、他者との否定的な比較を生まない場を実現できるように力を注いでいます。

出典:体重管理と身体イメージ|TikTok広告ポリシー

 

そんなTikTokを閲覧中、突然広告で「あなたは〇〇病ですよね?」「〇〇で悩むおばさんへ!」とレッテルを貼るような広告(コンプレックスをえぐるような表現)が流れてくると、ユーザーは不快に感じてしまいますよね。

そのためTikTokでは特定の属性を訴求した表現はNGとなっております。

 

禁止コンテンツの例:人種、民族、出身国、部族、性別または性的指向、ジェンダーまたは性自認、宗教、カースト、階級、年齢、世帯状況、在留資格、障害、もしくは医療または遺伝的疾患などの保護属性に基づき、個人または組織をターゲティングとしているもの

(中略)

禁止コンテンツの例:容姿・知性・性格特性・衛生状態など、個人の特徴や状況に基づく、相手に対する誹謗中傷や嫌悪感の表現。

出典:差別・嫌がらせ・いじめ|TikTok広告ポリシー

 

ではどうするかですが、広告では「こういう状態・こういう行動あるあるですよね(症状・生活)」という共感の形に変換する必要があります。

 

「症状ベース」への言い換え(体感している現象にフォーカス)

「症状ベース」とは、病名や年齢などの「属性」を隠し、「その人が今、身体や目で実際に感じている困りごと」にフォーカスする手法です。

病名やコンプレックスを直接呼ぶのではなく、『鏡を見たときの状態』や『身体の感覚』に言い換えましょう。

 

NG表現(名指し・属性) OK表現(症状ベース) 言い換えのロジック
アトピー肌で悩む人に 深刻なカサカサ・ゴワゴワが続く方に 病名ではなく「肌の触り心地」
老眼が気になるあなた スマホの文字がぼやけて見える方へ 症状名ではなく「目の感覚」
AGA(男性型脱毛症)のあなたへ 最近、髪のボリュームが気になり始めた方へ 病名ではなく「見た目の変化」

※機能性表示食品の届出範囲であれば、届出表示の文言の範囲内で記載するのは可能

「生活ベース」への言い換え(原因となる日常の行動にフォーカス)

「生活ベース」とは、「その状態を引き起こしている日々の習慣や環境」にフォーカスする手法です。

『あなたは〇〇な人だ』と決めつけるのではなく、『普段こういう生活を送っていませんか?』と行動を問いかける形にしましょう。

 

NG表現(名指し・属性) OK表現(生活ベース) 言い換えのロジック
糖尿病予備軍のあなたに 外食が多くて食生活の偏りが気になる方に 疾患リスクではなく「食習慣」
更年期障害でお悩みの方 年齢とともに、日々の休息が足りないと感じる方に 症状名ではなく「生活リズム」
加齢で手が老けた女性へ 毎日の水仕事で、手元を酷使している方に 年齢ではなく「家事という行動」

※機能性表示食品の届出範囲であれば、届出表示の文言の範囲内で記載するのは可能

「症状ベース」「生活ベース」に変換するデメリットと対策

広告に対してターゲットが自分事化にしくくなりますので、結果としてレスポンスが下がる傾向にあります。

レスポンスが下がってしまっては、せっかく広告を出稿する意味が薄れてしまいます。そのため、ポリシーを守りつつも訴求力を落とさないための対策をセットで行うことが重要です。

 

特定の年代に訴求する場合は年齢ターゲティングを使用

TikTok広告にも年齢ターゲティングが用意されております。あくまで年齢でターゲティングし、コピーは生活ベースか症状ベースにすることを心がけましょう。

 

症状ベースでコピーを検討する

生活ベースと症状ベースをご紹介しましたが、生活ベースに比べて症状ベースの方が訴求力が強いことが多いです。それは、ユーザーの悩み(ペイン)に直接触れるため、購買意欲に直結しやすいからです。

まずは症状ベースで考えてみて、無かったり審査落ちが継続してしまう場合は、生活ベースで検討するのがおすすめです。

 

動画内に想起させるようなシーンを入れる

名指ししない分、訴求力は落ちてしまうため、ポリシーに抵触しない範囲で補完する映像を使用しましょう。

高齢者の方に向けた商品であれば、動画内で登場する人物は高齢者に。

シミを無くすような商材の場合は、シミを意識する洗顔時のシーンを使用したりしましょう。

商材 想起させる映像シーン例
エイジングケア 鏡を見ながらスキンケアをするシーン
育毛・ヘアケア ブラッシング・ドライヤー時の手元
関節サポーター 階段の上り下り
睡眠サポート 就寝前のリラックスタイム
食生活サポート 食卓・お弁当・コンビニ食のシーン

TikTok広告の再審査依頼

TikTok広告の審査は機械的に行われることがあるため、ポリシーに準拠していても審査落ちしてしまうことがあります。

再審査依頼すれば承認されますので以下の手順で実施しましょう。

 

不承認となった広告をマウスオーバーするとポップアップが出てきますので、ポップアップ内の「もっと見る」を選択

 

右上「申し立て」を選択

 

 

申し立て理由を選択、記載します。

アピールの理由 日本語訳 どのようなケースで選択するか
appeal_reason_category_not_violate_rulle ルール(ポリシー)には違反していない 広告がポリシーを遵守していると確信している場合に選びます
appeal_category_vague_rejection 不承認(却下)の理由が曖昧・不明確である 審査落ちの理由は記載されているものの、具体的にどの部分がNGなのか分からない場合に選びます
appeal_category_more_detailed_suggestions より詳細なアドバイス(改善案)が欲しい どのように修正すれば審査に通るのか、具体的な提案を求めたい場合に選びます
appeal_category_similar_ads_passed_the_review 類似の広告は審査を通過している 過去に出稿した同じような表現の広告や、他社の似た広告が承認されているのに、今回落ちたのはおかしいと主張する場合に選びます
appeal_category_not_giving_reason 不承認の理由が記載されていない なぜ審査に落ちたのか、理由自体が全く提示されていない場合に選びます

ちなみに、common_appeal_reason_descriptionはアピールの詳細な理由という意味で、必須なので何か入力必要があります。

日本語でも問題ないかもしれませんが、弊社では以下のような文章を添えることが多いです。ご参考ください。

 

【英文】

Dear TikTok Ads Support Team,

We kindly request a manual review of this ad. We have carefully checked the guidelines and believe that our ad creative complies with your advertising policies.

Thank you for your time and assistance.

 

【日本語訳】
TikTok広告サポートチームのご担当者様

こちらの広告の手動での再審査をよろしくお願いいたします。ガイドラインを注意深く確認しましたが、私たちの広告クリエイティブは広告ポリシーを遵守していると考えております。

お手数をおかけしますが、ご対応のほどよろしくお願いいたします。

 

まとめ

冒頭でもご紹介した通り、TikTokが個人を特定するような表現を規制する背景には、特定の属性や外見を「正解」として提示する広告を排除し、誰もが安心できるプラットフォームを作るという強い意図があります。

 

こうした「特定の体型や属性を煽らない」という動きは、TikTok内に留まりません。

 

例えばファッション業界では、痩せすぎたモデルの起用が度々問題視されています。

出典:BBC「不健康なほど細く」見えるモデルを起用したザラの広告、イギリスで禁止に」

出典:読売新聞オンライン「やせすぎモデルが禁止されるワケ」

 

広告を通して「痩せていること=美しい」という偏った認識を与えてしまうと、思春期の若者が拒食症などの健康被害を引き起こすリスクがあるためです。

ポリシーに違反せず、誰も傷つけない表現を見つけるのは、一見すると「売るための強い訴求(レスポンス)」と相反するように感じられ、難しく思えるかもしれません。

しかし、「あなたは〇〇だ」とコンプレックスを直接えぐるのではなく、今回ご紹介したように「〇〇でお困りではありませんか?」とユーザーの生活や症状に寄り添うことこそが、結果として深い共感を生み、広告の成果を最大化する鍵になるんじゃないかなと思っており、実際に弊社でもそのような訴求の方が良かった事例もあります。

 

TikTokの理念をしっかりと念頭に置き、ユーザーにもブランドにもポジティブな広告クリエイティブを作っていきましょう。

小玉 修平のアバター

小玉 修平

アルトワ代表。公益社団法人のマーケティング専門家としても活動。趣味はランニング(低速)。外羽より内羽派。フルブローグよりセミブローグ派。