無料で利用できるユーザー行動分析ツールClarityを利用されている方は多いのではないでしょうか。
筆者の感覚では「Clarity=ヒートマップツール」として認識されている方も少なくないと思っているのですが、実は様々な切り口で分析を行うことができます。
今回はClarityのデフォルトのタブである「ダッシュボード」の「インサイト」ついて使い方や特徴などをご紹介します。
Clarityのダッシュボードとは
以前まではDashboardとアルファベット表記でしたが、現在はダッシュボードとカタカナ表記になっております。
ダッシュボードでは任意で設定した期間における、サイトのセッション数や平均PV数の他、ユーザーがサイトで行った行動(クリックやスクロール)の状況が分かるようになっています。
GA4を利用されている場合、Clarityを利用せずともサイトのセッション数や平均PV数は分かりますので、ダッシュボードではClarityならではの「インサイト」を確認することをオススメします。
Clarityのインサイトとは
インサイトでは
- イライラしたクリック
- デッド クリック
- 過剰なスクロール
- クイックバック
の4つの指標を確認することができますが、これらの指標を確認することでWebサイトの見た目や操作性の改善に繋がるようなヒントを見つけることができます。
それぞれの指標の内容や改善ポイントについて解説します。
「イライラしたクリック」とは
以前の管理画面ではRage clicksと呼ばれていた指標です。ユーザーが同じ箇所を複数回クリックした時にカウントされます。
ボタンが小さく一回でクリックすることができなかったり、ボタン同士の距離が近く、誤って別のボタンをクリックしてしまった際にイライラしたクリックとしてカウントされます。
右のカメラマークを選択しますと、イライラしたクリックをしたユーザーが、具体的にどこでイライラしたのかを確認することができます。
※Rageクリック=イライラしたクリック
「デッド クリック」とは
以前の管理画面ではDead clicksと呼ばれていた指標です。クリックしたけれど、ページ遷移が発生しなかった場合にカウントされます。
例えば、本Webサイトもそうですが、左上にロゴを設置しているところも多いと思います。そのロゴをクリックするとTOPページにリンクするサイトもあれば、そうでないサイトもありますが、もしロゴにリンクが無いサイトで、ロゴのクリックが発生している場合はデッドクリックとしてカウントされます。この場合、特別な理由がないのであればTOPページにリンクするよう変更することでUI改善に繋がるかもしれません。
「過剰なスクロール」とは
以前の管理画面ではExcessive scrolling(エクセシブスクローリング)と呼ばれていた指標です。他のユーザーセッションに比べて上下のスクロールが多いセッションがカウントされます。ユーザーが過剰にスクロールを上下している状態というのは
- 探しているコンテンツが見つからない
- 分かりにくい(から前の説明(≒上)に戻る)
ということが考えられます。
難解な文章になっていないか、タイトルの答えとなるコンテンツが分かりやすい位置に設置で来ているかなど見直すと良いでしょう。
「クイック バック」とは
以前の管理画面ではQuick backsと呼ばれていた指標です。
ユーザーがページ遷移直後に、前のページに戻ってしまった際にカウントされます。ページ遷移直後に、前のページに戻ってというのは
- 想定していたページではなかった
- ボタンの押し間違え
ということが考えられます。
ボタンの押し間違えであれば、ボタンの設置位置が適切か確認し、ボタンが適切な位置にあれば、ボタンのコールトゥアクションが遷移先ページに相応しいか確認しましょう。
まとめ
今回ご紹介した機能以外にも、GA4では分からない、Clarityならではの機能があります。随時アップデートされておりますので、キャッチアップし日々のアクセス解析に活かしていきましょう。