Microsoft広告は、Windowsユーザーが使用することの多い「Bing」「Edge」「Outlook」「MSN」などの広告枠に広告配信できる運用型の広告媒体です。
ビジネスでWindows端末を使用する割合の多い日本では、特にBtoB向けのサービスで成果が期待できることから知名度が伸びてきています。
一方で、慣れ親しんだGoogle広告やYahoo!広告と仕様が違う部分も多く、まだまだ細かい仕組みを理解できていない方もいるのではないでしょうか?
今回はそんなMicrosoft広告の中の「オーディエンス広告」について解説していきます。
オーディエンス広告とは?
オーディエンス広告とはGoogleやYahoo!で言うところの「ディスプレイ広告」と同じ配信方法です。
主にMicrosoft EdgeやMSNのディスプレイ広告枠に、画像単体や画像+テキストで表示される広告です。
※赤枠がオーディエンス広告枠です。「PR」という表示とともに配信されます。
キャンペーンの作成方法
1.通常のキャンペーンと同じく「+作成」ボタンから作成していきます。
2.作成したいキャンペーンの種類を選択する画面で「オーディエンス」を選択します。
3.「ネイティブ」「ディスプレイ」「動画」から任意の広告を選択し、必要な項目を入力していきます。
※「ネイティブ」はいわゆるレスポンシブ広告のようなものです。
画像やロゴとテキスト(短い見出し、長い見出し、説明文)を配信面の広告枠に合うよう組み合わせて表示されますので、画像はテキストが入っていないイメージ画像のようなものが適切な場合もあります。
「ディスプレイ」は画像と最終URLのみの設定ですので、広告バナーとして作りこんだ画像を設定するのが良いでしょう。
オーディエンス広告の特徴
Microsoft広告のオーディエンス広告には、以下の特徴があります。
・予測ターゲット設定
・豊富なオーディエンス選択
・会社名、業界、職種のターゲット設定
予測ターゲット設定
Microsoft広告のオーディエンス広告のみで使用できる設定です。
後述するようにオーディエンス広告では様々なオーディエンスパターンを選択できますが、ここでターゲットとして検討していなかった可能性のある新しいオーディエンスをAIを駆使して見つけることに役立ちます。
・広告コンテンツ
・ランディングページ
・オーディエンスインテリジェンス
のシグナルの組み合わせを活用し、適切なタイミングで潜在顧客にリーチすることでコンバージョンの可能性を引き上げることができます。
GoogleのP-MAXやmetaのAdvantage+オーディエンスなどのAIアルゴリズムを活用した配信拡張機能と同じ立ち位置かと思いますが、特にビジネスの現場で利用されることの多いMicrosoftツールではBtoB商材において他媒体では持ちえない学習データを持っている可能性もあるため、使用してみる価値は大いにあるかと考えます。
豊富なオーディエンス選択
他媒体と同様に地域や性別年齢などのデモグラフィックターゲティングに加えて、独自のオーディエンスリストを選択することができます。
・リマーケティングリスト
・動的リマーケティングリスト
・カスタムオーディエンス
・類似オーディエンス
・購買意向の強いユーザー
・カスタマーマッチリスト
・組み合わせリスト
・インプレッションベースのリマーケティングリスト
meta広告の設定画面のように、設定ページ右側にオーディエンスメーターが表示されるので、設定範囲が広すぎたり狭すぎたりことがないか、確認することが可能です。
会社名、業界、職種のターゲット設定
LinkedInに設定されているプロファイルに従って、特定の会社や業界、職種で最近働いたことがあるユーザーに対して広告表示できる、Microsoft広告独自の機能です。
2024年には日本でも正式にローンチされたようです。
機能面だけでいうと非常に魅力的なのですが、日本ではLinkedInの普及率が低く利用者には経営者など上位層が中心のため、本当に適切なターゲティングかどうかはよく考えて設定する必要があるでしょう。
まとめ
いかがでしょうか?
一見、GoogleやYahoo!とそこまで大きな違いがないように見えるので「利用者が多い媒体を頑張るべきでは?」と考える方もおられるかもしれません。
しかし、Microsoft広告の強みはその配信面を利用するユーザーの特徴から、BtoBサービスに大きな強みを持つ点にあります。
ビジネスの現場で利用する検索エンジンやツールに広告を出せることは圧倒的な強みであり、単なるディスプレイ広告にしても「自分の趣味嗜好で自由に行動するユーザー」と「仕事としての責任・ノルマ・期限に追われ行動しているユーザー」との間で、広告への反応の仕方は大きく変わってくるのではないかと思います。
それぞれの広告媒体や配信面の持つ強み、特性、それらを利用するユーザーの心理状態を深く想像し分析することで、「どのような広告だと最大限のパフォーマンスを発揮できるか」を考え抜き、チャレンジし続けることが重要です。