meta広告のターゲティングの一つである「類似オーディエンス」は、成果につながりやすいターゲティング手法として知られています。
本記事では、類似オーディエンスが成果につながりやすい理由やその設定方法をご紹介します。
meta広告「類似オーディエンス」とは?
類似オーディエンスとは、既存顧客と似た特性を持ち、かつ広告主が提供するビジネスに関心を示す可能性が高いと思われる利用者に広告のリーチを広げる機能で、meta広告での広告セット設定時に「オーディエンス」項目にて利用することができます。
具体的には、既存のカスタムオーディエンス(ウェブサイトでの購入者、カスタマーリスト、Instagramアカウントのエンゲージメントなど。「ソースオーディエンス」とも呼ぶ)を使用して「類似オーディエンス」が作成されます。
この選択したカスタムオーディエンスが持つ情報(利用者層データ、興味・関心、行動など)を利用することで、似た要素を持つ利用者=リーチしたい特徴を持った利用者に広告を配信することができます。
類似オーディエンスが成果につながりやすい理由
類似オーディエンスが成果につながりやすい理由としては、既存顧客のデータをそのままターゲティングに活用できる、という点です。
例えば、自社の製品を購入したA~Cさんに、以下の特徴があることが分かっています。
Aさん:50代既婚男性、会社経営、株とバイクが好き
Bさん:30代未婚男性、会社員、ガジェット好き
Cさん:40代既婚男性、主夫、家庭菜園好き
これらの特徴から「自社製品は30~50代の男性の購入率が高い」と仮説を立て、性別や年齢に区切って配信することも一つの戦略でしょう。
しかし、実は3人には「料理に関心があり、webでレシピサイトや投稿をよく見ている」という特徴があるかもしれません。
また、「婚姻の有無にかかわらず女性へプレゼントするのが好きで、おしゃれなギフトをよく調べている」かもしれません。
metaが保有するカスタムオーディエンスの情報を利用することで、このような「表面的なイメージ・データでは分析しきれない」特徴まで深堀して、ターゲティングに活かすことができるのです。
何より、ここで使用する既存のカスタムオーディエンスは自社のサービスになんらかの行動を起こした顧客のデータですので、metaが提供する「興味関心」や「行動」でのターゲティングよりもデータの根拠がはっきりしていることから、成果につながりやすいターゲティングだと考えられています。
設定方法
①管理画面左側「オーディエンス」を選択
②「オーディエンスを作成」から「類似オーディエンス」を選択
③「新しいソースを作成」から「カスタムオーディエンス」を選択
④任意のソースを選択
⑤「イベント」と「オーディエンスリテンション」を設定し、任意のオーディエンス名を付ける
イベント:アクセスや設定済みのイベント(「スクロール」や「購入」など)
オーディエンスリテンション:イベントが実行されてからオーディエンスにとどまる日数(最長180日)
※複数のイベントを設定し、OR条件やAND条件で独自のオーディエンスを作ることも可能です。
⑥「類似オーディエンスの作成」に戻り、作成したソースを選択
⑦ターゲット地域(国)を選択
⑧オーディエンスサイズを選択
⑨オーディエンスが作成されたので、任意の広告セットにて選択する
類似オーディエンス活用の注意点
オーディエンスサイズについて
類似オーディエンスを作成する際には、上記設定方法⑧のように「オーディエンスサイズ」を設定する必要があります。
オーディエンスサイズとは「新しいオーディエンスとソースオーディエンスのマッチ率」です。
ここで設定する割合が小さい(1%)とソースオーディエンスとのマッチ率が高まり、よりソースオーディエンスに似た特徴を持つユーザーに配信できる一方、リーチできるユーザー数は少なくなります。
成果の向上には配信ユーザーの「量」と「質」の両方が重要ですので、自社サービスの特性やこれまでの配信傾向に合わせて慎重に判断してください。
マッチ率を変えたオーディエンスを複数作成し、ABテストするのも有効かもしれませんね。
ソースオーディエンスについて
ソースオーディエンスは100人以上(1か国あたり)なければ使用することができません。
例えば、オーディエンスリテンションが30日で100人に満たない場合は、日数を拡大するなど設定の変更が必要です。
まとめ
meta広告の類似オーディエンスは数あるターゲティングの中でも有効な手法の一つであり、設定も比較的簡単ですので優先して試す価値があります。
今までデモグラフィックや興味関心などのターゲティングしか使ってこなかった方は、一度試してみてはいかがでしょうか?
ASC(Advantage+ ショッピングキャンペーン)で成果が落ちてきている・・・という方にもぜひ活用をお勧めします。
まずは仮説を立てたうえで様々なターゲティングを試し、自社のサービスに適した運用方法を見つけてくださいね。