マーケティング

失敗しないWEB広告・SNS広告代理店の選び方

色んな経営者の方とお話していると

「広告代理店への依頼を検討しているが、どんな代理店を選ぶと良いのか?」
「フリーランスはどうか?」

など、WEB広告・SNS広告代理店の選び方に関するご質問をいただくことが多いです。

我々もWEB広告・SNS広告専門の広告代理店として頑張っているので、そういった方々に対して「ウチが間違いないですよ!」と言いたい。

しかし、その一方で、今は個人事業主の方から、印刷業の方、コンサルファームの方、WEB制作会社の方などなど、多種多様な業種・業態の方が広告代理業をされております。
そんな中で、弊社の立ち位置を正確かつフェアに判断することが難しく、「ウチがベスト」と明言できないのが現状です。苦笑

ただ、WEB・SNS広告代理店の選び方に関するご相談いただいた際に、必ずお伝えしていることが3つあり、その内容については「間違いない」という自負があります(笑)

本ブログでは、WEB・SNS広告代理店選びで毎回お伝えしている3つのことをご紹介します。(注意点も含む)

  • はじめての広告代理店を依頼するけれど、どこを見ればいいの?
  • 広告代理店の営業が来て、興味あるけれど本当に大丈夫かな?

本ブログがそんな方々にとって参考になりましたら幸いです。

※以前、【地方版】失敗しないWEB広告代理店の選び方で、地方企業が広告代理店を選ぶ際に注意すべきポイントをご紹介しております。内容は異なるものの、通ずるものがありますので、併せてご覧ください。

 

1.広告運用者出身者が代表を務める会社を選ぶ

WEB広告やSNS広告の代理業務は、今や多種多様な業種・業態の企業が行っていますが
その中でも代表者自身が広告運用に携わっていた、あるいは現在も携わっている会社を選びましょう

それは、広告運用に携わったことのない代表者の場合、「効率良く稼ぐ」ことを優先し、AI任せの表層的かつ短命な広告運用しか期待できないためです。

近年、広告業界にはAI(人工知能)の波が押し寄せています。

例えば、Google広告には「P-MAX」というAIをフル活用した広告があり、「良い感じ」に広告配信を行ってくれたりします。一見すると、これならプロの広告運用者は不要になるのでは、と思うかもしれません。

確かに、かつては広告運用者が試行錯誤を繰り返し、手動で細かな設定を調整することで成果を出していました。その頃に比べれば、AIの登場によって運用の一部が効率化され、「広告運用者の価値」は変化したと言えます。

しかし、だからといってAIに任せきりにしておけば、売上や利益が自動的に増えるわけではありません。むしろ、一時的に効果が出ても、ほとんどのケースで頭打ちになります。

その理由の一つは、多くの企業が同じようなAIツールを利用することで、広告が「同質化(性質や内容が同じであること、またはほぼ同じとみなせる状態)」してしまうからです。

皆がAI任せの「良い感じ」の広告を配信すれば、競合の広告も、自社の広告も似たり寄ったりになり、結果として広告効果が下がってしまいます。

このような状況ですので、本気で成果を出すには、AIを賢く活用しつつも、運用者が知恵を絞って「差別化」を図ることが不可欠です。

例えば、

  • 競合が目を付けていないニッチなターゲット層にアプローチする
  • 広告管理画面以外のデータから新しい戦略を見つける
  • 実際の利用者に直接話を聞いてみる

等といった、人間ならではの深い洞察力や創造性が求められます。

広告媒体のアルゴリズムは日々変化し、WEBやSNSへの広告出稿社数も増加の一途を辿っている中、「どうすればターゲットに響くコミュニケーションが実現できるか」というのは非常に難しい課題です。

もし、代表者が広告運用の経験がない場合は、業界のこのような変化を正しく理解していないことがほとんどですので、多くは「効率良く稼ぐ」ことを優先し、「広告予算のすべてをP-MAXで(≒AIで)配信!」といった、乱暴な提案に終始します。

もちろん、弊社でもP-MAXのようなAIを活用した広告を活用するケースもありますが、それは配信した実績を深く分析し、様々な試行錯誤を重ねた結果としてです。

広告運用に携わったことのある方が代表者の会社は、AIの特性を理解しつつも、その限界を知っています。AIではカバーできない部分を人間の知恵と経験で補い、貴社にとって本当に価値のある広告運用戦略を提案してくれるでしょう。

 

2. 大きすぎず、小さすぎない会社を選ぶ

広告代理店選びにおいて、会社の規模も重要な要素です。結論から言うと、月間100万円以下の広告費の場合であれば、数名~20名程度の比較的小規模の広告代理店が理想的だと考えています。

大きすぎることのデメリット

従業員が30名を超えるような比較的規模の大きな広告代理店は、独自の「必勝パターン」を持っていることが多く、そのパターンに沿った広告プランニングを提案しがちです。

しかし、他社の「必勝」が必ずしも貴社にとっての「必勝」であるとは限りません。またブランド毀損という意味でも、必勝パターンがこれまで築き上げてきたブランドの世界観を壊しかねないというリスクもあります。

そのため、貴社独自の魅力や強みを深く理解しようとせず、画一的なアプローチに固執し、期待する成果が得られないことも少なくありません。

さらに、規模が大きいがゆえに、個々のクライアントへの対応が手薄になるケースもあります。例えば、業界最大手の代理店の中には、月間広告費が200万円以下の案件は新卒社員が担当するという話もあり、「大きいから」「有名だから」と言って、きめ細やかなサポートを期待できないケースもあります。

 

小さすぎることのデメリット

例えば、一人法人やフリーランスといった小規模な代理店は、手数料が安く、きめ細やかな対応をしてくれることが多いのが魅力です。コストを抑えたい企業にとってはメリットが大きいでしょう。

しかし、その一方で彼ら、彼女らへのマネジメントが必須になるという大きなデメリットが存在します。

経営者にとって、外部に業務を委託するアウトソーシングの最大のメリットは、自社でやるべき業務を減らすことに加えて、マネジメントすべき人を不必要に増やさないことだと考えます。

広告運用は、明確な「成果物」がパッと目に見える形で存在するわけではないため、その「頑張り」は個人の「やる気」に大きく依存してしまいます。このような性質がある以上、依頼する側は「依頼したら終わり」というわけにはいきません。

彼ら、彼女らに「この会社のために頑張りたい」と心から思ってもらえるように、貴社側からの働きかけが必要になるのです。

定期的に食事に行きコミュニケーションを深めたり、時にはプライベートな相談に乗ったりすることも出てくるかもしれません。
また、彼らの事業が伸びて忙しくなってきたら、他社ではなく貴社にもっと時間を使ってもらえるよう、報酬について再検討する必要も出てくるでしょう。

このように、アウトソーシングすることで本来マネジメントが不要になるはずが、最大限のパフォーマンスを発揮してもらうためには、相応のマネジメントが必要になってしまうのが実情です。

その一方で、複数名の社員がいる広告代理店であれば、手数料は多少上がるかもしれませんが、マネジメントは社内の担当者の上司や責任者が行います。

貴社側からの直接的なマネジメントは基本的に不要になり、本来のアウトソーシングのメリットを享受できます。

 

自社の経営理念・MVVと似ている会社を選ぶ

経営理念やMVVなどがある会社も多いと思いますが、その内容と近しい理念を掲げている会社を選ぶようにしましょう。

広告代理店とは長いお付き合いになることがほとんどで、コミュニケーションを取る機会も多いため、「価値観のズレ」は致命的です。

広告代理店を利用されたことのない方はピンと来ないかもしれませんので、「価値観のズレ」の一例として、お客様から聞いた話をご紹介します。

お金より大切なこと

WEB広告はクリックするとお金が発生する広告もあるのですが、依頼していた広告代理店がミーティングの際、その会社のWEB広告を平気でクリックしたそうです。

恐らく、クリックしたWEB広告の価格は50円前後だったと思います。

もしかしたら、広告代理店の方からしたら「50円くらいならいいでしょ」と思ったのかもしれません。しかし、そのお客様は50円という金額の話ではなく、その価値観がとても嫌だったそうです。

これ以外にも、過去コミュニケーション上のトラブルもあったようだったので、このことが決め手となり契約を解除したそうです。

契約前に価値観のすり合わせが重要

WEB広告やSNS広告に特化した代理店は比較的新しい業種で、経営者が若いケースも多いため、一般的な企業とは異なる特徴を持つことがあります。たとえば、「挨拶をしない」「連絡が遅い」といった、一般的なビジネスでは考えられないような対応をする代理店も存在します。

「会社なら当たり前にきちんと対応してほしい」と思うかもしれませんが、広告代理店ではそうでないケースも少なくありません。だからこそ、自社が大切にしている価値観、例えば経営理念やMVV(ミッション・ビジョン・バリュー)と似た会社を選ぶことが非常に重要です。契約する前に、その代理店がどのような価値観を持っているのか、自社の文化と合うのかをしっかりと見極めるようにしましょう。

 

事業フェーズを見極め、価値観の合う会社に

いかがでしたでしょうか。今回は、弊社の経験に基づいた独断と偏見も含まれますが、ご紹介した「広告運用者出身の代表がいる会社」「大きすぎず、小さすぎない規模の会社」「自社の経営理念・MVVと似た会社」という3つのポイントを押さえて広告代理店を選べば、月額広告費100万円以下の事業者様であれば失敗するリスクを大幅に減らせるはずです。

もし、これらの基準で選んでも期待する成果が得られない場合は、いくつかの可能性が考えられます。

一つは、広告予算が貴社の商材やサービスに対して少なすぎる可能性です。
WEB・SNS広告は、ある程度の投資がなければ十分なデータが蓄積されず、効果を最大化することが難しい場合があります。

もう一つは、そもそも貴社のビジネスモデルやターゲット層がWEB・SNS広告と相性が良くない可能性です。
例えば、非常にニッチなBtoB商材や、オフラインでの接点がメインとなるサービスなど、他のマーケティング手法がより効果的な場合もあります。

このような場合は、広告代理店と密に連携し、以下の点について相談してみるのも良いでしょう。

  • 広告予算の見直し: 現状の予算でどこまで成果が見込めるのか、増額した場合のシミュレーションなどを話し合いましょう。
  • ターゲットや訴求方法の再検討: 貴社の強みを最大限に活かし、WEB・SNS広告でアプローチできるターゲット層やメッセージングに改善の余地がないか、多角的に検討してみましょう。
  • 他のマーケティング手法の検討: WEB・SNS広告以外の、貴社のビジネスに合った集客方法やブランディング戦略について、専門家としての意見を聞いてみるのも良いでしょう。

本記事が、貴社に最適な広告代理店を見つける一助となれば幸いです!

小玉 修平

小玉 修平

ALTWA代表。公益社団法人のマーケティング専門家としても活動。趣味はランニング(低速)。外羽より内羽派。フルブローグよりセミブローグ派。

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