Google広告の管理画面上には、キャンペーンの成果改善のために最適化案というものが表示されます。最適化案をうまく活用すれば、広告の成果を向上させることができますが、すべての案を自動適応して、意図しない変更が適応されると、予期せぬ結果を招く可能性もあります。
この最適化案ですが、手動で適応する方法と自動で適応する方法の2種類があり、本記事では、最適化案自動適応の概要や注意点などをご紹介致します。
最適化案とは
Google広告の最適化案は、冒頭でも紹介したように、キャンペーンの成果を改善できるように、入札単価やキーワードについての改善案や、適応すると改善の見込める新しい機能などを教えてくれます。管理画面左側タブの「最適化案」より、”カード形式”か”表形式”で一覧を確認することができます。
自動適応可能な最適化案の種類
最適化案は様々ありますが、その中でも自動適応可能な最適化案を確認していきます。すべての最適化案は下記を参照してみてください。
広告のパフォーマンスを保つ(計8種類)
広告とアセット
種類 | 内容 |
広告のローテーションを最適化しましょう | オークション時に最適な広告が自動的に表示されます。 |
レスポンシブ検索広告を追加しましょう | 見込み顧客により関連性の高い広告を表示して、現在と同程度かそれ以上の費用対効果でより多くのコンバージョンを獲得しましょう。広告見出しと説明文のアセットは、広告の最終ページ URL や同じ広告グループ内のアセットなど既存のコンテンツから取得されます。 |
レスポンシブ検索広告を改善 | 広告見出しと説明文を改善して、レスポンシブ検索広告のクリック数を増やしましょう。広告見出しと説明文のアセットは、広告の最終ページ URL や同じ広告グループ内のアセットなど既存のコンテンツから取得されます。 |
キーワードとターゲティング
種類 | 内容 |
重複するキーワードを削除しましょう | 重複キーワードを削除すると、アカウントが管理しやすくなります。 |
広告配信に使われていないキーワードを削除しましょう | 広告配信に使われていないキーワードを削除して、アカウントを管理しやすくします。 |
競合する除外キーワードを削除する | 競合する除外キーワードが原因でユーザーに広告が表示されませんでした。広告が表示されるようにするには、そのような除外キーワードを削除しましょう。 |
最適化されたターゲティングを使用する | 現在と同程度のコンバージョン単価で、より多くのコンバージョンを獲得できます。 |
測定
種類 | 内容 |
コンバージョン トラッキングをアップグレードしましょう | データドリブン アトリビューションを使用して、コンバージョンへの貢献度を複数の広告インタラクションに割り当てましょう。 |
ビジネスを拡大する(計14種類)
キーワードとターゲティング
種類 | 内容 |
新しいキーワードを追加しましょう | お客様の商品やサービスを検索しているユーザーに、より多くの広告を表示します。 |
インテント マッチ キーワードを追加する | 既存のキーワードのインテント マッチ バージョンを追加すると、現在と同程度かそれ以上の費用対効果でより多くのコンバージョンを獲得できるようになります。 |
ディスプレイ ネットワーク対応を使用する | 新しい Google ディスプレイ ネットワークの拡張機能で未使用の予算を使用すると、現在と同程度のコンバージョン単価でより多くのコンバージョンを獲得できます。 |
入札単価
種類 | 内容 |
目標インプレッション シェアを使って、広告費用対効果を改善しましょう | 完全に自動化された入札戦略を使って、広告の可視性を最適化。 |
「クリック数の最大化」を使って、広告費用対効果を上げましょう | 完全に自動化された入札戦略を使って、現在と同程度の費用を維持しながらより多くのコンバージョンを獲得しましょう。 |
「コンバージョン数の最大化」を使って、広告費用対効果を改善しましょう | コンバージョン数の最大化を使うと、現在と同程度の費用でより多くのコンバージョンを自動的に獲得できるようになります。 |
「コンバージョン値の最大化」を使って、広告費用対効果を改善しましょう | 価値に基づく入札戦略を使用すると、現在と同程度の費用でより大きなコンバージョン値を獲得できます。 |
目標コンバージョン単価を使用した「コンバージョン数の最大化」で効率的に入札しましょう | 目標コンバージョン単価を使うと、現在と同程度かそれ以下のコンバージョン単価でより多くのコンバージョンを自動的に獲得できるようになります。 |
目標コンバージョン単価の設定 | 目標を設定すると、現在と同程度の広告費用対効果でコンバージョン値を高めることができます。 |
目標広告費用対効果の設定 | 目標を設定すると、現在と同程度の広告費用対効果でコンバージョン値を高めることができます。 |
目標コンバージョン単価の調整 | 目標コンバージョン単価を調整してより多くのコンバージョンを獲得しましょう。 |
広告費用対効果の目標値を調整する | 広告費用対効果の目標値を調整してコンバージョン値を引き上げましょう。 |
アカウントのデフォルトの目標として「来店」を追加 | スマート自動入札と来店コンバージョンで、合計コンバージョン数とコンバージョン値を増やしましょう。 |
最適化案の自動適用の設定方法
最適化案の自動適用はアカウント単位で設定を行います。合計22種類の最適化案の中から任意で選択することが可能です。
①キャンペーン>最適化案>自動適用
②自動適応したい最適化案の項目にチェックを入れて保存
これで自動適用の設定は完了になります。
自動適用が推奨できない最適化案
次の最適化案は自動適応してしまうと、アカウント全体のパフォーマンスに大きく影響が出る可能性があるので、おすすめできません。
レスポンシブ検索広告の改善
出稿中のレスポンシブ検索広告に、広告の有効性の評価は「良好」に満たないものがある場合に、広告見出しと説明文を追加してしまいます。すでにアセットが全て埋まっている場合は既存のアセットを削除し自動生成されたアセットと入れ替えが行われる可能性もあります。
意図しないアセットがいつの間にか配信されてしまうかもしれないので、自動適応しないことをおすすめします。
重複するキーワードの削除
同一広告グループ内に似ているキーワードが複数ある場合に、成果が悪いキーワードや検索クエリの一致範囲が狭いキーワードが削除されてしまう可能性があります。
キーワード数が減りグループ内の管理がしやすくなるというメリットはありますが、完全一致、フレーズ一致のキーワードを削除して、インテントマッチのキーワードだけ残るということもありうるので、意図しない検索語句が増加してしまう可能性もあるので、注意が必要です。
除外キーワードの削除
競合する除外キーワードが原因で広告表示が非表示になっている場合に、その除外キーワードを削除して広告掲載をしようとします。
競合他社名などを除外キーワードで管理している場合、意図せず除外キーワードが削除されてしまう可能性があるため、自動適用にしないことをおすすめいたします。
各種入札戦略系
もっとも注意したい項目です。キャンペーンの入札戦略は広告成果を大きく左右します。気づかないうちに入札戦略が変更され、クリック数の減少、クリック単価の高騰など様々なトラブルを招く可能性があります。
キャンペーンの目的に応じて、個別で入札戦略は変更するようにするのが良いでしょう。
履歴から意図しない自動適応を確認する
最適化案の自動適応を設定していないアカウントの場合は問題無いですが、既に何かしらの項目にチェックが入っている場合、既に自動的に実施された最適化案があるかもしれません。履歴から自動適応された日付を確認し、変更履歴から具体的に何が変更されたのかを確認すると良いでしょう。
自動適応にチェックを入れる画面から「履歴」の画面に切り替えることで変更内容の確認が可能です。
まとめ
最適化案は広告の成果を向上させるためのGoogle広告からのアドバイスです。しかしすべてを鵜呑みにしてしまうと、アカウントが予期せぬ方向に進んでしまう可能性もあります。
自動で適応しても問題無い最適化案と個別に管理したい最適化案を考え、うまく活用することで広告の成果を最大化させるのが良いでしょう。