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Google広告、拡張コンバージョンと設定手順を解説!初心者の方におすすめ

Web広告の最大のメリットは何といっても「取得できる情報量の多さ」です。
配信された広告をクリックしたユーザーの過去の行動や購入履歴などから、どのようなユーザーなのか定義し、リマーケティングや興味関心など様々な手法でアプローチすることができます。

今までこのような運用を可能にしてきたのが、Webサイトを表示したブラウザデータを保存する仕組み「Cookie」です。
しかし近年、個人情報保護法改正によるCookie規制が進んでおり、GoogleでもChromeのサードパーティCookieの廃止に向けた動きが進んでいます。

この「Cookieレス」の動きに対して新たに登場した機能が「拡張コンバージョン」。
すぐに設定して、サードパーティCookieの廃止に備えましょう。

 

拡張コンバージョンとは?

Google広告の拡張コンバージョンは、より正確なコンバージョン測定と高度な入札単価設定を可能にする機能です。

従来は、ユーザーが広告をクリックした際にサイトに埋め込まれたコンバージョンタグによってサードパーティCookieにユーザー情報(クリックID)が書き込まれ、コンバージョン時にその情報を遡ることでコンバージョンを計測していました。

拡張コンバージョンではサードパーティCookieを使用しません。
自社Webサイトで取得したユーザーデータ(自社のファーストパーティデータ)をGoogleに送信し、Googleアカウントの情報(Googleのファーストパーティデータ)と照合することでコンバージョンを計測します。
具体的には自社Webサイトで取得したファーストパーティデータをハッシュ化(暗号化された情報)してGoogleに送信することで、個人情報に配慮した方法でデータ収集することが可能になります。

 

拡張コンバージョンを設定するメリット

拡張コンバージョンを設定することで、従来のコンバージョン計測では捉えきれなかったデータを補足できます。
具体的には以下のようなメリットがあります。

1.CV計測精度の向上

従来のコンバージョン計測よりも精度が上がることで、より実態に即したコンバージョン数が把握できるようになります。
そのため、今まで以上に適切な広告運用ができるようになると考えられます。

2.機械学習の精度向上

従来計測では捉えきれなかったコンバージョンデータを補足できるため、機械学習がより進み精度が高まります。

3.プライバシー保護への対応

メールアドレス、氏名、住所、電話番号などの自社ファーストパーティデータをハッシュ化して送ることは個人情報に配慮した形であり、広告主としての信頼性が向上します。

 

拡張コンバージョンの設定手順

拡張コンバージョンを設定するには、以下の3つの方法があります。

1.Google タグマネージャーを使用する

現在コンバージョン トラッキングに Google タグ マネージャーを使用している場合は、最も簡単な方法です。
Googleタグマネージャーの管理画面にログインし、拡張コンバージョン用のタグを設定。
その後、Google広告の管理画面で拡張コンバージョンを有効にする設定を行うことで完了します。

2.GoogleタグをWebサイトに直接設置する

技術的な知識がある場合は、Googleタグを直接Webサイトに設置することも可能です。
タグマネージャーを使用せずに直接設定することで、細かいカスタマイズが可能です。
Google タグを使用して拡張コンバージョン(ウェブ向け)を設定する – Google 広告 ヘルプ

3.Google Ads API を利用する

Google Ads APIを使ってユーザーデータをGoogleに送信し、コンバージョンデータを取得します。
柔軟性が高く他のシステムとの統合がしやすくなりますが、高度なプログラミング技術と専門知識が必要となります。
Google Ads API の拡張コンバージョン(ウェブ向け)について – Google 広告 ヘルプ

今回は最もメジャーな方法である1.を解説しますので、他の方法を知りたい方は各リンクを参照ください。

 

1.1.Google広告管理画面での操作

①Google広告の管理画面で 目標>コンバージョン>設定 に進む

②設定画面から「拡張コンバージョン」パネルを展開し、
・「拡張コンバージョンをオンにします」にチェック
・「ユーザー提供データの設定および管理方法を選択します」の項目で「Googleタグマネージャー」を選択
・「Googleタグマネージャーに移動」を選択

 

1.2.Googleタグマネージャーでの操作

google タグ マネージャーで拡張コンバージョンを設定する方法は、次の 3 つです。

設定方法 解説
自動収集 タグによってページ上のユーザー提供データを自動的に検出する方法。
最も簡単だが「コード」「手動設定」よりは信頼性に劣る。
※今回はこの手順を解説。
コード 照合に使用するハッシュ化された顧客データを送信するコードスニペットをWebサイトに追加する方法。最も精度が高い。
参考:Google タグ マネージャーで [コード] を選択して拡張コンバージョンを導入する
手動設定 関連するユーザー提供データが含まれるCSSセレクタまたはjavaSript変数をページ上で手動設定する方法。「自動収集」よりも精度が高く、「コード」よりも精度が低い。
参考:Google タグ マネージャーの「手動設定」を使って拡張コンバージョンをセットアップする

今回はもっともメジャーな方法である「自動収集」について解説しますので、「コード」「手動設定」については各URLを参照ください。

①既存のコンバージョンタグを変更するため、Google タグマネージャーワークスペース画面の左側メニューから「タグ」を選択

 

②拡張コンバージョンを設定する任意のコンバージョントラッキングタグを選択

 

③編集画面で[自社のウェブサイトでユーザーから提供されたデータを含める]( Include user-provided data from your website)をクリック

 

④プルダウンで [新しい変数] を選択

 

⑤変数の設定画面から[自動収集] (Automatic collection)を選択

 

⑥ [保存] をクリックしてから、コンバージョン トラッキング タグを保存

これで、拡張コンバージョンの設定が完了しました。

 

まとめ

Google広告の拡張コンバージョンを設定すべきもっとも重要な理由は、やはりサードパーティCookieの廃止に対応できるという点です。

Web広告の強みである「ターゲティング」は、個人のあらゆる情報を収集し共有できる仕組みによって成り立っています。
しかしながら、それはプライバシー保護という観点においてもっとも危険な仕組みでもあり、現在は「サードパーティCookieの廃止」という段階で落ち着いているもの、今後も様々な論点から議論され変革されていくことでしょう。

その中で私たちWeb広告運用者ができることは、「個人情報保護」という大前提をしっかりと理解し尊重したうえで、データ計測に関する最新の機能や知見をブラッシュアップし続け、「ユーザーにとってもっとも価値のある広告を提供する」という信念をもって業務にあたることだと思います。

「いかにギリギリを攻めるか」「いかに限界までデータを集めるか」など自己利益の追求に没頭するのではなく、Web広告・Webマーケティングの未来を担うものとして責任ある行動を取っていきたいものです。

宮田 昌平

宮田 昌平

横浜国立大学卒業。大手インフラ会社で営業職を経験後、マーケティングの世界へ。サウナ、マンガ、キャンプが趣味の2児の父

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