Google検索広告

Google広告の「インプレッションシェア」とは?用語の説明と活用方法を徹底解説!

Google広告運用の重要指標の一つである「インプレッションシェア」。
管理画面上で常に表示されるように設定して、毎日数値をチェックしている運用者も多いと思います。

皆さんはこの「インプレッションシェア」が何なのかをしっかり把握していますか?
・広告のシェアが上がったor下がったを基準に予算を上げ下げしている
・とりあえず○○%を維持することを目標にしている
など、なんとなく広告の配信状況をつかむためだけにチェックしている方もいるのではないでしょうか?
今回の記事では「インプレッションシェア」の定義や仕組みのおさらい、加えて成果向上にどのように活かしていくかを解説したいと思います。

 

「インプレッションシェア」の定義

まずは「インプレッションシェア」の定義をおさらいしましょう。
Google広告ヘルプには下記のように書いてあります。

インプレッション シェア(IS)は、広告が表示可能だった合計回数のうち、広告が実際に表示された回数が占める割合です。
インプレッション シェア = 表示回数 / 広告が表示可能だった合計回数
https://support.google.com/google-ads/answer/2497703?hl=ja

例えば、表示可能だった合計回数が1000回、実際に表示された回数が900回の時のインプレッションシェアは
900÷1000×100=90% となります。
インプレッションシェアは、キャンペーン単位、広告グループ単位、キーワード単位で確認できます。
(キーワード単位での確認画面)

広告は設定しているターゲットや予算、他広告主の出稿状況など様々な要因により配信状況が変わるため、単純に「インプレッションシェアが高ければ良い」というわけではなく、キーワードや広告グループに課している目標や役割に照らし合わせて、自分が意図した範囲でインプレッションできているかどうかをチェックするのが望ましいです。

 

「インプレッションシェア」から改善点を見つける

次は、この「インプレッションシェア」のデータを使って広告の改善を行う方法を説明します。
まずは広告キャンペーン一覧にて、「インプレッションシェア」と合わせて「検索広告のインプレッション シェア損失率(予算)」を確認してみてください。

 

「検索広告のインプレッション シェア損失率(予算)」とは?

予算不足が原因で検索ネットワークに広告が表示されなかった割合の推定値を表す指標です。
広告成果が悪いからといって、すぐにキーワードの追加や広告文の改善に着手するのではなく、まずは「正しい広告予算を設定できているか」を確認しましょう。

「検索広告のインプレッション シェア損失率(予算)」が高ければ、予算を引き上げることでシェアを高められる可能性があります。
また、「検索広告のインプレッション シェア損失率(予算)」を下げるには、配信地域を減らすなどターゲット設定を狭めることも有効です。
予算に限りがあり安易に引き上げができない場合は、そもそも配信範囲を狭めてしまうのも一つですね。

 

「検索広告のインプレッション シェア損失率(ランク)」とは?

予算が十分に確保されているのにも関わらずインプレッションシェアが低い場合は、キーワード単位で「検索広告のインプレッション シェア損失率(ランク)」を確認しましょう。
「検索広告のインプレッション シェア損失率(ランク)」とは、広告ランクの低さが原因で、検索ネットワークで広告が表示されなかった回数の割合です。
※広告ランクについては下記の記事にて言及しておりますので、合わせてご確認ください。

Google広告の広告ランクと品質スコアの違いについて解説!分かりづらい仕組みと定義を徹底解析

この損失率が高い場合は、予算を引き上げても改善することはできません。
入札単価の引き上げ、広告文やランディングページの改善など広告ランクを引き上げる施策を行うことで、広告ランクが原因となるインプレッションシェアの損失を減らすことができます。

 

「インプレッションシェア」活用の注意点

ここで注意しておきたいポイントは、インプレッションシェアを上げることが広告の成果を上げることに直結するわけではない、ということです。

少し抽象的な例を挙げますが、とある競合性の高い商材を扱う広告キャンペーンにてCVが減少傾向であるときに、「検索広告のインプレッション シェア損失率(予算)」はほぼ0%、「検索広告のインプレッション シェア損失率(ランク)」が30%ほどだとします。
その時に、「検索広告のインプレッション シェア損失率(ランク)を30%→10%にすることを目指そう!」と目標設定するのは正しいでしょうか?

例えば、その商材がCVR(購入率)の低い商品であれば、インプレッションシェアの拡大により広告配信は増えたもの、CVの増加率は小さくCPAが高騰する結果になるかもしれません。
また、入札単価の低さが広告ランクの低さの要因であったにも関わらず、これ以上改善しようのない広告文やランディングページを延々と手直しした結果、かけた時間に対して損失率がほとんど変わらない、という結果になることも考えられます。

 

まとめ

インプレッションシェアを高めるための具体的施策は、Web広告運用において基本的な改善施策です。
そのため、目標設定がどうであれやること自体はそこまで大差がないかもしれません。
しかし、広告成果は市場や季節の移り変わり、競合の出稿状況など外的要因も非常に大きいので、セオリー的には正しい行動をしていても結果が伴わない(インプレッションシェアを高めてもCVが増えない)場面も数多くあります。

インプレッションシェアはあくまで広告の現状を測るためのデータの一つですので、目標を細分化したり、課題を因数分解するときにうまく活用するのが賢明です。
Google広告にある便利な機能をうまく活用しつつも、常に大局的な視点を意識しながら日々の広告運用を行っていきましょう。

宮田 昌平

宮田 昌平

横浜国立大学卒業。大手インフラ会社で営業職を経験後、マーケティングの世界へ。サウナ、マンガ、キャンプが趣味の2児の父

関連記事

TOP