特にBtoB商材を中心に独自の強みを持つ、Microsoft広告。
しかし、どうしてもtoC商材では成果を伸ばす難易度が高いことから、まだまだ使いこなせていない方も多いのではないでしょうか?
今回はそんなMicrosoft広告の中から「ショッピング広告」についてお話したいと思います!
仕組みや設定を最大限に理解することで、諦めていたMicrosoft広告に新たな活路を見いだせるかもしれません。
※Microsoftショッピング広告の設定方法やキャンペーン作成手順については、過去ブログを参照ください。
ショッピング広告の配信面は?
Microsoft広告のショッピング広告は、主に以下の面に配信されます。
Microsoft Bing すべての検索結果画面
ショッピング面
画像面
動画面
私自身もあまり認識しておりませんでしたが、画像面、動画面に配信されるのは良いですね。
ネット検索に慣れた方なら、まずは視覚イメージをつかむために画像タブを開くことは多いかと思いますし、
他のショッピング広告枠よりも商品名の表示スペースが多く、訴求力がUPしそうです。
配信面の指定や入札調整はできませんので、商品タイトルが長く表示された場合に分かりにくいものになっている場合は、優先的に改善した方が良いかもしれませんね。
配信されるユーザーのペルソナがGoogleとは異なる可能性もありますので、様々なパターンの商品画像や商品タイトルをテストしてみるのも有効です。
配信のコントロールは可能?
Google広告同様、キーワード設定はできませんが、主に以下の設定を行うことで配信のコントロールが可能です。
・除外キーワード設定
・地域設定
・ユーザー属性(性別、年齢、会社名、業界、職種)
・スケジュール
・デバイス
ユーザー属性に会社名、業界、職種がある点はMicrosoft独自ですね。
元々toB商材や、検討期間の長い高単価商材の広告に強みのあるMicrosoft広告ですので、これらの属性設定を駆使することでさらにパフォーマンスを伸ばせる可能性がありそうです。
Microsoft、ショッピング広告の課題は?
今までの話を踏まえると、配信面や設定できる項目はGoogleとほぼ同じ、かつ平均CPCがGoogleショッピング広告より安い場合が多いことから「より低CPA、高ROASで配信できるのでは?」と考える方もいると思いますが、実際は期待している成果を出すことがなかなか難しいです。
理由の一つとして「配信ボリュームが出ない」ことが挙げられます。
toC商材の中でも特に即決しやすい商品や、綿密な比較検討を必要とせず「スマホでポチっと」買われる場合が多い商品などは、
PC配信が主流のMicrosoft広告においてはなかなか配信が進みません。
また、個人的にはGoogle、Yahooより「言葉は同じだけど意味が異なる語句」へ容赦なく配信される実感がありますので、
「表示回数が増えてきた」と安心していても、いざ検索語句を確認すると意味合いの異なるクエリへ多く出てしまっていた、なんて場合もあります。
結果として無駄な配信やクリックが増え、Googleより成果が悪化したなんてことも考えられますので、
「配信ボリュームが出ない」という課題を抱えつつも、より見込みあるユーザー(検索)へ配信するよう調整することが重要です。
どのようなオーディエンスの絞り込みが有効?
こればかりはあらゆる状況(広告主の商材、ポジショニング、予算、時勢、季節など)と運用者各々の考えにより千差万別なのですが、
比較的成果が期待できそうな設定、試してみる価値がある設定をいくつか挙げてみたいと思います。
①45歳以上への配信強化
商材にもよるのですが、ある程度年齢層の幅が広く、かつ中・高年齢層の購入も一定の割合があるようなtoC商材は、
あえて45歳以上の配信に絞る(または入札単価を引き上げる)ことは試しても良いかもしれません。
特に中・高年齢層の方は
・プライベートでもchromeではなくEdgeを使う
・ネットショッピングの際はPCを使用するときも多い
ような特徴を持っている方が若い方と比べて多い印象があります。
(かくいう私(35歳)もそこそこ出費が必要な商品はスマホでなくPCで探す時が多いです・・・汗)
配信当初はインプレッションを広げて学習データを溜めるためにどんどん入札単価を引き上げることも有効ですが、
前述のとおりMicrosoft広告はまだまだ配信の質が不安定な部分がありますので、よりMicrosoft広告に親和性がある中高年齢層への入札を強めることで、適切なCPA、ROASで運用する可能性があります。
②リマーケティングオーディエンスの入札強化
定期商品でなく、リピーター化が見込まれる商材やサービスの場合は、Microsoftショッピング広告で可能なオーディエンス設定の中で、
・リマーケティング
・動的リマーケティング
を優先的に使用してみるのも有効かと思います。
ご存じのとおりショッピング広告は検索語句に対して配信されますが、
検索広告と違ってキーワード設定ができないため、検索広告ほど精度の高いコントロールがしにくい部分があります。
ショッピング広告は画像にて視覚的にPRできるメリットがあることから、
・検索広告で訪問、自社を知ってもらう→再度類似語句の検索があった際にショッピング広告でアプローチ
と段階的な広告戦略を立てることで、検索とショッピングそれぞれの強みを生かした配信ができる可能性があります。
購入確度の高いユーザーに絞って入札単価を大きく引き上げることで、大幅な機会損失を回避しつつも、見込みユーザーへの大胆な入札でCPA、ROASを改善できるかもしれません。
③検索意図に基づいたキャンペーンの最適化
最後に「優先順位」設定を活用してキーワード種類ごとに入札の強弱を付ける方法です。
まずは以下をご覧ください。
※引用:Microsoft提供資料による
キャンペーンを
・非指名(獲得率が低い検索語句を狙う)
・指名
・獲得(獲得率が高い検索語句を狙う)
の3つに分け、「獲得」にて最も高い入札単価を設定します。
除外キーワード設定にて別キャンペーンに出したい検索語句を除外設定し(例えば、「非指名」では「指名」「獲得」で狙いたいキーワードを除外)、
非指名→指名→獲得の順に優先順位を付けることで、もっとも狙いたい検索語句への入札を引き上げることが可能です。
※引用:Microsoft提供資料による
CVRに応じて入札単価を変えることで、ショッピング広告全体で適切なCPO、ROASでの運用が図れます。
まとめ
いかがでしたか?
Microsoft広告はGoogle広告の設定を丸々インポートすることが可能で、かつCPCも低いためとりあえず運用している方も多いと思いますが、ユーザーの質やボリュームといった点から効果的な運用に苦戦している方が多いのではないかと思います。
しかし、「実際にMicrosoft広告が配信される面を使用しているユーザーにはどんな特徴があるか?」を自社商材の特性と突き合わせて深く考えていくことで、成果向上が期待できる設定を検討できるのではないかと思います。
また、広告運用が好き・得意な方にとってはこういった状況こそやりがいを感じられるのではないでしょうか?
「とりあえず開設して、Google、Yahooと同じ設定にしたまま放置しているな・・・」という方は、本記事で紹介している方法をぜひ試していただければと思います!