TikTok Spark Adsの概要
概要
「TikTok Spark Ads」とは、通常のTikTok広告とは異なり「ユーザーがTikTokに投稿した既存のオーガニック投稿」を広告として活用できる機能です。
広告の信頼性やエンゲージメントが高まるとして、広告運用者の間でも利用者が増えています。
出稿金額
TikTok Spark Adsの最低出稿金額は、キャンペーン単位では5,000円/日、広告グループ単位では2,000円/日となっております。
通常のTikTok広告との違い
通常のTikTok広告との主な違いを、下記表にまとめました。
項目 | TikTok Spark Ads |
通常のTikTok広告
|
広告素材 | オーガニック投稿 |
広告用に作成された動画
|
信頼性 | 比較的高い傾向(ユーザーの自然な投稿のため) |
比較的低い傾向(広告色が強いため)
|
エンゲージメント (いいね、コメント、シェアなど) |
比較的高い傾向 | 比較的低い傾向 |
費用対効果 | 比較的高い傾向(意図しないクリックの減少や、 長期的なマーケティング効果が期待できる) |
比較的低い傾向 |
オーダータイプの種類
TikTok Spark Adsには、主に以下の2つのオーダータイプがあります。
オーダータイプ | 広告目的 |
オークション |
リーチ・動画視聴・コミュニティインタラクション・トラフィック・アプリインストール・コンバージョン・リード生成・ショップ購入(アルファ版)
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リーチ&フリークエンシー |
リーチ・トラフィック・動画視聴
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ユーザーインタラクションの種類
TikTok Spark Adsでは、以下のユーザーインタラクションを計測できます。
ユーザーインタラクション | アクション |
CTAボタン・広告キャプションをクリック | 広告のランディングページに移動 |
プロフィール画像・ニックネームをクリック or左にスワイプ |
動画所有者のプロフィールページに移動 |
プロフィール画像の「+」マークをクリック | アカウントをフォロー |
音楽、歌手名、音楽ディスクをクリック | 音楽ページに移動 |
※通常のTikTok広告では、ランディングページ・アプリインストールページへの移動が基本で「アカウントのフォロー」や「音楽ページへの移動」はありません。
データ指標の種類
TikTok Spark Adsでは、以下のデータ指標を計測できます。
- 有料クリック数
- 音楽クリック数
- 有料いいね数
- 有料シェア数
- 有料フォロワー数
- 有料プロフィール訪問数
- 有料コメント数
- アンカークリック数
- アンカークリック率
TikTok Spark Adsのメリット
他人のオーガニック投稿を広告に利用できる
TikTok Spark Adsの最大のメリットは、他人のオーガニック投稿を広告として利用できる点です。
近年、Web広告配信の激化やステルスマーケティングなどの横行により、ネットやSNSを利用するユーザーの広告への抵抗感が高まっています。
TikTok Spark Adsはクリエイターやインフルエンサーのオーガニック投稿を広告として利用できるため、わざとらしさがなく自然な形でユーザーに受け入れられる可能性が高まります。
また投稿も提供者視点ではなくユーザー視点で作成されることがほとんどなのでユーザーの共感を得やすく、結果的にエンゲージメントが高まることが期待できます。
新たに広告を作る工数を削減できるのも大きなメリットですね。
リーチするターゲット、量をコントロールできる
TikTok Spark Adsでは、通常のTikTok広告と同様に、ターゲティング機能を利用してリーチするユーザー層やリーチ数をコントロールできます。
年齢・性別・興味関心などの属性に基づいて最適なユーザーへの配信を増やすことは、オーガニック投稿ではできない点ですね。
CTAボタンの設定
TikTok Spark Adsでは、オーガニック投稿ではできないCTA(Call to Action)ボタンを設定できます。
これにより、ユーザーを特定のWebサイトやアプリに直接誘導し、商品購入や登録などのアクションを促すことができます。
TikTokアカウントを伸ばせる
TikTok Spark Adsは、広告に利用したオーガニック投稿のエンゲージメント(いいね、コメント、シェアなど)を向上させることができます。
そのため、利用した投稿のTikTokアカウントのフォロワー獲得、認知度の向上に貢献できます。
TikTok Spark Adsのデメリット
ランディングページ以外への遷移
TikTok Spark Adsは、広告にCTAボタンを設定できますが、必ずしもユーザーをランディングページに遷移させられるわけではありません。
先述したように、ユーザーは広告動画を視聴した後、指定したランディングページではなく広告主のTikTokアカウントにアクセスしたり、他の動画を視聴したりする可能性があります。
配信動画の編集
TikTok Spark Adsでは、広告に利用するオーガニック投稿の内容を変更することはできません。
そのため、使用する音楽の著作権など場合によっては広告の審査が通らない可能性もあります。
もし動画の内容を変更したい場合は、別のオーガニック投稿を広告として利用する必要があります。
動画投稿者の承諾
他者のオーガニック投稿を勝手に使用することはできません。
広告主が動画を作成する手間は省けるものの、投稿主への許可や交渉が必要になってきますので、計画的に準備をする必要があります。
TikTok Spark Adsの設定手順
自社アカウントのオーガニック投稿を使用する
自社のTikTokビジネスアカウントとTikTok広告マネージャーの連携が完了しており、自身のTikTokの投稿動画を使用したい場合の設定手順です。
1. TikTok広告マネージャーにログインし、新しいキャンペーンを作成
2. 広告グループ作成画面にて広告フォーマットとして「TikTokアカウントを使用してSpark Adsを配信」を選択
→「承認済みアカウント」内の「アカウントを連携」にて指示に従ってビジネスアカウントを連携
※TikTokアカウントは、ビジネスアカウントである必要があります。
3. 「TikTok上の投稿動画」から任意の投稿を選択→誘導先URLや誘導アクションなどを入力して「公開」
第三者の投稿動画を使用する
この場合、承認されたアカウント(ビジネスセンターを介して承認)または投稿(動画コードを介して承認)を使用する必要があります。
1. TikTok広告マネージャーにログインし、新しいキャンペーンを作成(同上)
2. 広告グループ作成画面にて広告フォーマットとして「TikTokアカウントを使用してSpark Adsを配信」を選択
→「承認済投稿」を選択
3.「TikTok上の投稿動画」から「+新しい投稿を承認」を選択
4.投稿主が取得した動画コードを入力し「検索」
→右枠にプレビューが表示されるので問題なければ「確認」を選択
※動画コードは投稿主のTikTokアプリから取得してもらってください。
5.誘導先URLや誘導アクションなどを入力して「公開」
まとめ
TikTok Spark Adsは広告同様のターゲティングや配信調整を行いつつ、オーガニック投稿を広告として活用することで
・ユーザー視点の訴求を自然な形で表示できる
・広告用の投稿を作成する手間が省ける
という大きなメリットがあります。
一方で、
・仕様上LP以外への動線が多く、通常広告よりもユーザーが自由に行動できること
・オーガニック投稿は一般的な広告ほど強く行動を促さない場合が多いこと
があるため、狙った誘導がうまくいかない可能性も十分にあります。
まずは自社サービスとオーガニック投稿の相性について十分に吟味したうえで、サービスの魅力を最大限に表現してくれるクリエイターやインスタグラマーの発掘を検討してみるのが良いでしょう。