広告配信をする際、迷うポイントの一つにアカウント構成があると思います。特にキャンペーン構成は重要度が高く、「キャンペーンを分けるべきか、それとも統合すべきか、、、」と、悩まれる運用者の方も多いのではないでしょうか。
筆者もよく悩むところなのですが、今回はそんなキャンペーン構成についてどういった基準で分けるべきなのかを解説したいと思います。
キャンペーン構成に絶対はないと思ってはおり、他にも意識すべきところもあると思いますが何か参考になることがありましたら幸いです。
※本ブログはGoogle広告、Yahoo検索広告を想定しております。
キャンペーンを分ける際に考慮したいポイント
以下3つの着眼点を考慮してキャンペーン構成を検討することをおすすめします。
- 地域毎で売上に差があるか?
- 商品/カテゴリ毎で売上に差があるか
- 商品のバリエーションは多いか?
着眼点① 地域毎で売上に差があるか?
例えば、地元の商品を販売しているECサイトの場合、地元に住んでいる方が中元/歳暮の際に送る利用されるケースが多いので、掲載結果を地域別にみると地元のコンバージョンが多かったりします。
またBtoBの場合、企業の多くが東京に集中しているため、コンバージョンのほとんどが東京ということが多かったりします。
このように、特定の地域でのコンバージョンが多い場合、コンバージョンの多い地域の広告予算を潤沢にすることで売上増加が期待できるため、予算はキャンペーン単位で設定するため分けるか検討する余地があります。
ちなみに、地域毎に入札価格を調整する方法もあり、多少の差であればこちらで対応するのも良いと思います。
ただ、デメリットとして地域毎の配信結果は階層が深いところにあるため、こまめにチェックするのは困難です。長期間広告運用をすることを想定しますと、キャンペーンレベルの成果を見ただけで”調整の当て”が分かるがベストだと思いますので、地域差が大きい場合は運用の手間を省くという意味でも分けるのも一つです。
着眼点② 商品/カテゴリ毎で売上に差があるか
広告費を割り振る順番は、ECサイトであれば売上構成比の高い商品に対して割き、それでも余裕がある場合は次点の商品に割り振ると効率が良い傾向にあります。予算はキャンペーン単位ですので、こういったケースは検討の余地があります。
もしこういった状況にも関わらず、一つのキャンペーンで管理するとどうなるでしょうか?
本来であるなら売れ筋商品にしっかり広告予算を割きたいですが、広告グループ単位で予算設定することができないためできません。それだけでなく、売れない商品に過度に広告費がかかってしまうということも起こりえます。
最近は自動入札を活用されている広告主の方が多く、自動入札活用のためにキャンペーンをまとめる機運が高まっていると思いますが、まとめる前に是非一度検討されることをオススメします。
着眼点③ 商品のバリエーションは多いか?
商品のバリエーションが少ない場合、基本的にキャンペーンを分けなくても良いと思いますが商材が多い場合は分けた方が良いケースがあります。
ただ、多いからと言って分けるのはあまり効果的ではなく、以下のポイントも考慮して考えることをおすすめします。
1.商材の単価
複数商品を扱っていると、商品によって単価が異なることがあります。基本的に、単価によって利益率や粗利益が異なり、それに伴って目標のROAS(広告費用対効果)や、CPA(顧客獲得単価)が変わります。
入札戦略はキャンペーン単位でしか設定ができないため、目指すべき指標が大きく変わる場合は検討の余地があります。
2.コンバージョン数(≒受注数)
コンバージョン数の多い、いわゆる売れ筋商品はキャンペーンを分けることを検討しても良いかもしれません。
コンバージョン数が少ない場合、データ量が少なく自動入札の恩恵を受けることが難しいですが、コンバージョン数が一定水準を超えると、自動入札の恩恵を受けることができます。
自動入札では、手動入札では使用されないシグナルをも考慮して入札されるため、コンバージョンが増えるケースもあり、コンバージョン数の多い売れ筋商品は分けることを検討する余地がありそうです。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
最近は、自動入札の使用が盛んですので、その兼ね合いでキャンペーンをまとめることも多いと思います。ただ、キャンペーンを統合し自動入札を活用することが目的になっているケースも少なくないなと感じます。
筆者も分けている理由のないキャンペーンはどんどん統合すべきだと考えておりますが、本来の目的は「効率良く効果的な広告配信を行う」だと思いますので、本末転倒なキャンペーン構成にならないよう注意していきたいですね。