多くのフレームワークが存在しますが、その一つに3C分析があります。
3C分析は1984年に大前研一氏の著書「ストラテジック・マインド」で登場した戦略を策定するためのフレームワークですが、その有用性から個人のキャリア設計からWEB広告の分野まで幅広く活用されています。
この記事では、40年以上経っても活用されている3C分析について、基本的な知識の他、WEB広告での活用方法についてもご紹介します。
3C分析とは何か?
3Cとは「Company(企業)、Customers(顧客)、Competitors(競合)」の頭文字
顧客(Customer)、競合(Competition)、そして企業(Company)の3つのCを分析することで戦略的な洞察を得るフレームワークです。
戦略を考える際、自社の都合だけで考えがちです。
例えば「自社の強みは○○だから、△△△を強化しよう」といったケースも多いと思いますが、そこには顧客、競合、つまり利害関係者については考慮されておりません。そのため「強みだと思っていたけれど、競合の方が優れていた・・・」「強みだと思っていたけれど、顧客はそんなこと求めてなった…」といったことになりかねません。
WEB広告で言えば、検索広告の広告文を検討する際にとても重要で、3C分析をすることで「何を打ち出すべきか?」が明確になります。
検索広告は競合他社と並んで表示されるため、他社の広告文と比較されます。
自社の広告が競合より優れているのであれば成果向上が期待できますし、その逆であれば成果を上げるのは難しいでしょう。実際、筆者も他社の広告文の影響で成果の上げ下げを経験をしてますので、広告文、特に見出しは意識したいところです。
3C分析の具体的な方法
顧客(Customers)の分析
顧客分析は様々な方法がありますが、筆者がお勧めしているのが顧客と直接会ってインタビューするデプスインタビューです。
ペルソナを作る方法もありますが、机上の空論になってしまうケースが多く、「ペルソナを作ったはいいけどイメージが湧かない」といったケースも少なくありません。実際お客様にお会いすることで鮮明にイメージすることができますし、直接会うことで「会ってるから話してくれること」ということもありますので、顧客分析のベストはデプスインタビューと考えております。
しかし、商材や予算の兼ね合いで、デプスインタビューが難しい場合もあると思いますので、そのときに筆者がお勧めしているのは教えてgoo、Yahoo!知恵袋、発言小町などのQ&Aサイトです。
例えば、ダイエットサプリを販売する場合、Yahoo知恵袋で「ダイエット サプリ」と検索すると様々な質問があります。これらに目を通すことで、ユーザーの課題、悩みを理解することができます。
ダイエットサプリだと「夏までに-〇kg」などを検討することも多いですが、「個人情報が…」と心配される方がいらっしゃるのが分かります。一部の方は「サプリ会社=怪しい」と感じてらっしゃる可能性があるため、安心していただけるような著名人の起用や、企業情報を打ち出すのも一つかもしれませんね。(検索広告ではなくどちらかというとページ側の話ですが)
またダイエットサプリを検討されている方の中には、オートミールを試されている方も一部いらっしゃるので、コンテンツターゲティングでオートミールのアレンジレシピのサイトや動画内に広告を配信するのも有効かもしれませんね。
企業(Company)の分析
企業、つまり自社の分析です。自社分析といっても、自社だけを分析しても良いアイデアは生まれませんので、表などを作成して自社と主要な競合を比較します。
検索広告はニーズが顕在化しているユーザーに配信する広告ですので、比較されやすい定量的な項目は漏れなくチェックしましょう。
いざ3C分析を始めると分析範囲がどんどん広がっていったりますが、以下の項目を抑えることですべらない分析はできるでしょう。
項目 | 例 |
価格&送料 | 送料も考慮した販売価格 |
割引の有無 | セール、クーポン |
バリエーション | カラーバリエーション、プランの種類(無料トライアル) |
販促の有無 | キャンペーン、セール、お試し |
時間 | 商品の到着時間、キャンペーンの開催期間 |
品質 | 製造方法/場所、返品保証、保証期間 |
サービス | 電話対応、リモート接客 |
競合(Competitors)の分析
上記の企業分析で使用した項目を使って、競合を分析していきます。ここで注意が必要なのがそもそもどの企業を競合と定義するかです。
一般的には、提供するサービス/商品を、同程度の価格・品質のモノを提供するという会社を競合としますが、検索広告の場合は「同じキーワードで配信している企業」を競合として検討するべきです。
まだ広告出稿されていない企業であれば、実際に検索してみて配信結果を確認するようにしましょう。
既に広告出稿されている企業であれば、Googleが提供しているオークション分析という機能を使用することで「同じキーワードで配信している企業」を特定することができますのでチェックしましょう。
「重複率」の数値が高い企業は、一緒に広告配信されている企業で、顧客が比べている可能性が高いので要チェックです。
そして、配信している企業を特定しましたら「広告の透明性」で他にどんな広告を配信しているかも確認しましょう。
以下の手順で配信している広告文を確認できます。競合がどういった訴求をしているのかを把握し、より効果的なコピーを検討しましょう。
↓
まとめ
今回の記事では、WEB広告戦略において3C分析の価値についてご紹介しました。
3C分析は「1回実施すれば終わり」というわけではなく、市場の変化や新たな競合の出現、顧客ニーズの変動に素早く対応する戦略の調整が可能になるため、定期的に実施することで長期間にわたって効果的なWEB広告戦略を維持することができます。定期的に3C分析を行い、より良い戦略を策定しましょう。