先日、仲の良い役員の方に連れられて福井市にあるちょい呑み処ババズさんで食事をしました。
ババズさんは「せんべろ」がコンセプトのお店で、「せんべろ」とは1,000円で酔えるほど安く楽しめる大衆居酒屋、小規模な酒場、立ち飲みなどのお店を指す俗称です。
そのため、ババズさんではリーズナブルな価格設定がされており、ドリンク3杯におつまみ1品がついて、なんと1,000円(!)
私は月曜日に訪れましたが、カウンター席は全て埋まっており、とても活気のある店内でした。
そんなリーズナブルで活気のあるババズさんですが、支払い方法が少し変わっています。ババズさん専用のメダルを前金で購入し、注文の度にそのメダルを支払うという仕組みです。
最初に現金でメダルを買いますが、メダルになると気が大きくなって注文しやすくなりますよね。
こういった効果を行動経済学では「キャッシュレス効果(cashless effect)」と言います。
現金を払うとき、人は「心理的な痛み」(Pain of paying)を感じるとされており、キャッシュレスになるとその心理的な痛みが緩和されるので、キャッシュレス払いが現金払いに比べ、消費者の支出額を高くさせているという効果を指します。
今では生活に欠かすことのできないPayPayなどの●●Payもこれの一種ですが、数年前に話題になったZOZOTOWNさんが実施している「ツケ払い」も同様の効果が期待できる施策の一つですよね。
画像引用元:ZOZOTOWN「ツケ払いはじめました」より
ZOZOTOWNさんのツケ払いとは後払いサービスのことです。
支払い期日は商品購入から2ヵ月以内と余裕があり、最大10万円まで後払いが可能です。クレジットカードを持っていない学生や主婦の方、また手持ちの現金が少ない場合に非常に便利なサービスです。
ツケ払いの利用率については公表されていませんが、2016年に始まったツケ払いサービスが8年経過した2024年でも続いているという事実から、それなりの効果があると推測できます。
仕事柄、常に売上や利益を上げる方法を考えていますが、意外と見落とされがちなのが支払い手段の重要性です。
ネットショップでは、支払い手段によって売上が大きく変わることがあります。特に、Amazon Payはシームレスに注文ができるため、導入するだけで売上が上がるケースが少なくありません。
売上を上げるためには、良い商品やサービスを提供することが重要です。しかし、それと同じくらい、人の心理を考慮することも大切です。ババズさんでメダルを気前よく使って支払いをしたときに、改めてその重要性を学びました。苦笑